叢書記号学的実践
神話の詩学

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  • サイズ A5判/ページ数 563p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784891766092
  • NDC分類 164
  • Cコード C0098

内容説明

「太古の神話はある種混交的な統一体であって、宗教と太古の哲学的観念の萌芽だけでなく、芸術の萌し、わけても言語芸術の萌しも潜ませていた。」著者はまず、今日の代表的な神話理論―レヴィ=ストロース、バルト、グレマスの構造主義、ノースロップフライの儀礼神話論的批評、ユング、キャンベルの心理学主義等々―を詳細に検討したのち、神話の古典的諸形態(宇宙起源論、歳時神話、終末神話、英雄神話等)の構造と生成の理論的、具体的分析へと進み、最後に、二十世紀文学における神話主義(ジョイス、トーマス・マン、カフカ、ガルシア=マルケス等)の考察と位置づけを試みる。プロップ『昔話の形態学』の「再発見」の立役者ともいうべきロシア神話学の泰斗の、広大な視野と緻密な実証性、強靱な理論を兼ねそなえた本書によって、読者は「構造分析と歴史分析の対話」(レヴィ=ストロース)へと誘われるだろう。

目次

第1部 最新の神話理論と儀礼神話論的文学研究(前史;哲学と文化学における「再神話化」;儀礼主義と機能主義 ほか)
第2部 神話の古典的諸形態とそれらの物語フォークロアへの反映(予備的な確認;神話思考全般の性質;神話の働き方の方向 ほか)
第3部 二十世紀文学の「神話主義」(前史;二十世紀の「神話」小説―まえおきとして;アンチテーゼ―ジョイスとトーマス・マン ほか)

著者等紹介

メレチンスキー,エレアザール・モイセーヴィチ[メレチンスキー,エレアザールモイセーヴィチ][Мелетинский,Елеазар Моисеевич]
1918年、ロシアのハリコフに生まれ、2005年、モスクワに没した。文学博士(1968年)。ソ連邦国家賞受賞(1990年)。カレル・フィン大学、科学アカデミー世界文学研究所を経て、ロシア国立人文大学人文科学高等研究所所長を務めた

津久井定雄[ツクイサダオ]
1945年、東京都に生まれる。東京大学文学部卒業後、同大学院人文科学研究科博士課程中退。大阪大学大学院言語文化研究科教授。専攻、ロシア文化論

直野洋子[ナオノヨウコ]
1957年、大分県に生まれる。東京外国語大学卒業後、同大学院修士課程修了。国際基督教大学、立教大学非常勤講師。専攻、ロシア・フォークロア(口承文芸学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

宵子

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ウクライナのハリコフ出身の文学者・メレチンスキーの著書。確か、この本は何かの賞を取っていたはず。 フロップの著作と同様に、ロシア・ソ連における神話学を知る上では読むべき本とも言える。 ロシア・ソ連における神話やその研究についても触れられている。…また、「ナルト叙事詩」などの非ロシア語圏の神話・叙事詩についても取り上げられている。 地域に関係しない、トリックスターやユングについてなども言及されているため、ロシア語圏以外の神話関係を知るためにも役立つだろう。2011/10/05

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