内容説明
「真の彫刻は、関係を破壊する実践からしか生まれないだろう」オブジェの世紀のただなかで彫刻をみつめつづけた批評家の四半世紀にわたる彫刻論集成。“世界の声”を宿す彫刻をもとめて。
目次
1 現代彫刻を考える十二講(はじめに仮説あり;不透明な、特殊な、物体 ほか)
2 二十世紀の彫刻(「類彫刻」の時代;存在にさす移ろいの影)
3 帰還、あるいは逍遙(彫刻とは「分からぬ」ものなり;彫刻の不透明性について ほか)
4 とどまる手と超える手の間で(“かたまり彫刻”とは何か;彫刻は「関係」からの超出を志向する)
著者等紹介
峯村敏明[ミネムラトシアキ]
1936年、長野県に生まれる。東京大学文学部卒業。美術評論家。多摩美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
79
現代彫刻、世界の美術、美術手帖、知識などの雑誌と展示会のカタログへの寄稿を集めたもの。批判的な表現について、その時代を表すものとして訂正はしていないとのこと。あとがきで「1930年代半ばに生まれた世代はおおむねサルトルをとおして実存主義に接触し、さらにカミュ、キルケゴール、ハイデッガーなどに視野を及ぼしてゆくというのが定石」。サルトル、カミュで止まった自分の限界を知った。マルローの「人間の条件」も大事らしい。2014/06/04
しゃんぷーしょく
1
現代彫刻、近代彫刻についての批評集。イメージしがたい理論も多かったが、批判的なまなざしが面白かった。2020/10/10
haji
1
▼近代彫刻史のおさらい。▼ミニマル・アート、もの派に焦点を当てながら、彫刻の特性「存在」について考える。▼作品写真を載せるための空欄が下部にあるのに、ほとんど写真を載せていないし、載せてたとしても文章と全く関係ない作品。ひどいレイアウト。▼この本を読んでも「彫刻って面白そう!」って思えないのが悲しい。2012/09/07