内容説明
日本文学のみならず日本人の心情と生活にまで深い影響を与え続けたロシア文学―その激情とユーモア、自由と反逆の精神をチェーホフの名訳で知られる著者が物語性ゆたかに語りかける。
目次
1 詩の純潔と精神の博大―プーシキン「エヴゲーニー・オネーギン」
2 閉塞の時代の同時代人像―レールモントフ「現代の英雄」
3 巨大な喜劇的世界―ゴーゴリ「死せる魂」
4 豪毅な人間の栄光と悲惨―ゲルツェン「過去と思索」
5 人はどう生きるべきか―ゴンチャローフ「オブローモフ」
6 民衆の苦悩を歌う詩―ネクラーソフ「赤鼻のマローズ」
7 言葉の新しさと新しい文体―ツルゲーネフ「貴族の巣」
8 人間と人間生活の研究―ドストエフスキー「罪と罰」
9 貴族の魂の心理学―トルストイ「アンナ・カレーニナ」
10 人生を見とおす眼―チェーホフ「桜の園」
ロシア文学とは何か
著者等紹介
松下裕[マツシタユタカ]
1930年、朝鮮鎮南浦府生まれ。早稲田大学ロシア文学科卒業
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