内容説明
『悪の華』は、美なるものを希求しながら醜なるものにおもねり、善を成そうと願いながら悪に譲歩し、自己を嫌悪しつつも称賛し、自らにこだわって世界に組み込まれることを拒否している、病んだ男の息を絶え絶えの一代記なのである。
目次
父
母
義父
学業
思春期
天職
大航海
法定後見人
ジャンヌ
家族との断絶
文学への第一歩
一八四八年の革命
エドガー・ポー
サバティエ夫人とマリー・ドーブラン
『悪の華』
オンフルールの魅力
称賛
新しい華々
アカデミー熱
あわれなベルギー!
畜生!
著者等紹介
トロワイヤ,アンリ[トロワイヤ,アンリ][Troyat,Henri]
ロシア系フランス人作家。1911年、ロシア人レフ・タラーソフとしてモスクワに生まれたが、一家は革命を避けてパリへ移住。フランス国籍を得た。処女作『ほの明かり』がポピュリスト賞を受賞した35年以降、精力的に数多くの小説、伝記、エッセイ等を発表し、フランスでは非常に多くの読者を獲得している。わが国でもすでに数多くの評伝が翻訳、紹介されている。主な著書に『蜘蛛』(1938年、ゴンクール賞受賞)など
沓掛良彦[クツカケヨシヒコ]
1941年生まれ。早稲田大学露文科卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京外国語大学教授。文学博士。西洋古典文学専攻
中島淑恵[ナカジマトシエ]
1963年生まれ。東京外国語大学フランス語学科卒業。同大大学院修士課程修了。東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、富山大学人文学部助教授。専攻、十九世紀フランス詩
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- 和書
- 作家の手紙をのぞき読む