内容説明
終戦間近のオランダ領東インド、チデング。日本軍による占領下、少年は女性捕虜収容所での悲痛な光景を目撃しつづけた。35年後の今、作家となった“私”は、苛酷な生に立ち向かったひとりの母親の姿を追想し始める―。仏フェミナ賞(外国文学部門)受賞作。
著者等紹介
ブラウワーズ,イエルーン[Brouwers,Jeroen]
1940年、旧オランダ領東インドのバタヴィア(現ジャカルタ)生まれ。インドネシアで幼少年期を送る。ブリュッセルの出版社で12年間編集者を務めた後、オランダに移り、執筆活動を開始。『喉元のナイフ』(1964年)に始まる連作小説で注目を集める。大戦下インドネシアの日本軍強制収容所での体験が影を落とす、強い自伝的要素をもった作品群によって、オランダ現代文学における重要な作家のひとりとなった。自伝3部作の第2部にあたる本書『うわずみの赤』(1981年)は、仏フェミナ賞(外国文学部門)を受賞した
林俊[ハヤシタカシ]
1950年、広島県三原市生まれ。ソルボンヌ・ヌヴェル大学文学部比較文学科博士課程修了。比較文学・フランス文学専攻。著書に、『アンドレ・マルロオの日本』(中央公論社、1993年)、『小松清 ニューマニストの肖像』(白亜書房、1999年)、編著に、『藤尾龍四郎作品集』(ギャラリー毛利、1995年)など
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感想・レビュー
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やまはるか
2
オランダ領に設けられた日本軍の女性収容所で繰り広げられる残虐な光景を笑いながら見ていた少年の心に刻まれた傷が文体までも歪めている。戦争と野蛮。ここで行われた野蛮は戦争の所為だろうか。戦後、オランダを訪問した天皇についても語られる。2018/12/22
Mark.jr
1
母の死を題材にした内向的な私小説以上に、我々日本の読者の身に迫るのは、著者が幼少期での大戦下インドネシアでの日本軍強制収容所の体験でしょう。これは、日本の戦争文学では、ほとんど扱われなかったものです。しかも、語られているのは、ナチスのものとほぼ同等におぞましい体験なのが、また...。そういう意味でも、200ページ未満のページ数以上に重たい本です。2020/12/02
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