人生 使用法

人生 使用法

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  • サイズ B6判/ページ数 731p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784891762537
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

パリ市中のアパルトマンでジグソー・パズルに没頭する英国人大富豪、バートルブースを軸に、建物を往き過ぎる様々な人物と各々の部屋に注がれた視線が織り成す奇想天外な人間喜劇。フランスの言語遊戯の実験工房〈ウリポ〉を代表する作家があらゆる形式の物語と多彩な言語遊戯を蒐集し、「剽窃」したエクリチュールを散種して綴りあげた前代未聞、破天荒な大長篇小説。仏・メディシス賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

123
おそらくパリ…のレモン=クリュペリエ通り11番地のアパルトマンを断面で見て、その各部屋にズームを順に向けていく。その中の浴室だけのことも、各部屋を繋ぐ階段に、ズームが向けられていることもある。しかし、時間がバラバラだ。過去のいつかだったり、過去数年だったりする。序でジグゾーパズルについて語られる。そして始めの章で、亡くなったヴァンクレールの周到で辛抱強く用意した復讐の企みがあることを教え、読者はその結果を最終章で知る。最後にニンマリとするのだが、その間の膨大な章をかなり削っても問題はないと思う。2016/01/08

まふ

107
パリのアパルトマンに住むすべての住人の人生を等価的に描いている。部屋、思い出の品々、それぞれの物語が描かれる。ゆるやかな物語の糸があるようだが、一読ではよくつかめない。合計50名程度の人生に関わる本である。ただしモラルや教訓めいたいわゆる「文学的な」匂いのするものは一切ない。いわば、総覧的な人生便覧的な書物だということが何となく理解できた(ような気がする)。好みの別れる作品だろう。一読では足りないと思うが、私自身もう一度読む気になるか?G1000。 2023/12/13

扉のこちら側

105
2016年759冊め。【210/G1000】100ページ過ぎまで読んだところで1日読めない日があり、結局本日最初から読み直した。プロットよりも技巧を凝らした形式美を楽しむ本だと思いきや、精密なパズルとして計算された物語でもあったことがわかる。しかしとんでもない本である。本当にとんでもない(二回言いました)。面的なエピソードを楽しむ本なので、一本筋の通った話を求める人には向かない。2016/09/25

NAO

66
舞台は、パリの古ぼけたアパルトマン。だが、そのアパルトマンに今住んでいる人々、かつて住んでいた人々の話は、様々な職業、生き方を含み、その話の中で世界中のいろんな場所が語られていく。その内容は、冒険譚、恋愛話、推理小説風、メロドラマ、怪奇譚、回想、クイズ、と様々だ。その人々の生活や生きざまを読むというだけでなく、この作品は、何段階かの読み方ができるのだという。今回の読書ではそれほど深い読み方はできなかったが、それなりに面白く読めた。また、時間を空けてさらなる読み方というのを試してみたいと思う。2018/09/11

兎乃

11
再読。ポール・オースター『空腹の技法』や筒井康隆『本の森の狩人』で本書は紹介されいる。パリ17区の某アパートをある時間で縦に割り、見える全ての部屋・全ての人について描写するウリポ美学の結実的作品。厳密なアルゴリズムに則って、アパートの断面図を正方形にみたて、そこに10X10のチェス盤を重ね、ひとつの格子を建物の一画に対応させる。100格子を重複せずにたどるルートは多数存在するが、中央に近いひとつの格子を起点とするルートによって、各章で描かれる場所が決定される仕組み。十枚の絵が、「制約」として機能している。2012/08/23

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