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内容説明
今や文学記号論の第一人者ともいうべき著者が、文学の一般的法則の探究としての詩学(ポエティック)と個々のテクストの個別性を追究する批評(クリティック)とを峻別し、自らの方法論を確立した《フィギュール》シリーズ総決算の書。原著刊行時バルトによって「極度の慎み深いよそおいのもとに一種幻想的な力を秘めている」と評された、著者の《詩学宣言》ともいうべき四論文に、著者が自らの記号論への道程を語る長篇インタヴューと、翻訳監修者による綿密なジュネット論をも付す。
目次
批判と詩学
詩学と歴史
限定された修辞学
プルーストにおける換喩
ポエティックの過去と現在―インタヴュー/大浦康介
ジェラール・ジュネット覚書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
3
フィギュール3とはいえ、なんか短い。「物語のディスクール」がまるまる省かれているからだ。さすがに、それだと短すぎるので、ジュネットとのインタビュー、それにジュネットの仕事の簡単な紹介が含まれている。このフィギュールⅢには、プルーストの解釈など重要な文章が含まれており、かなり多くの研究書で引用されている。2013/04/24
竹花 樒 - Shikimi Takehana
1
『フィギュールⅢ』と銘打たれているが、邦訳版は先に『物語のディスクール』が出版された事情から本単行本にはそれが収録されていない。ゆえに実質上のインタビューと監訳者によるジュネット論が中心の一冊。そういう意味で《フィギュール》シリーズ総決算の書とは言えるかもしれない。博識さゆえに読者にとって困難を極める読解であるが、ジュネット自身へとフォーカスのあてられたそれらの”パラテクスト”は、彼の系譜を読み解く上で良質のテクストであり、ジュネット読解に一役買ってくれることは間違いないだろう。2010/08/24