内容説明
構造言語学そして一般記号学の創始者という以上に、19世紀から20世紀への知のパラダイム変換をなしとげた革命家ソシュール。精神分析学をも視野に入れつつ、このスイスの偉大な言語学者の、通時態の概念、システムをひき起こすその〈盲目的な力〉に着目し、ソシュール像の転換を図る気鋭の言語理論家の野心的論考。
目次
第1部 語る主体の意識(ソシュールのエピステモロジー;語る主体による「主観的分析」;語る主体とはなにか;意識とはなにか)
第2部《力》の言語学―通時態の理論(ソシュールの言語観;共時態と通時態―その批判的検討;共時態と通時態―その可能性の中心)