内容説明
司馬氏の栄光と悲惨。3世紀後半の西晉の武帝司馬炎の建国・統一の実現と、武帝歿後の余りにも早い滅亡・分裂の到来の経緯を描く。
目次
『三国志』の終幕
河内の司馬氏
司馬懿
司馬師と司馬昭
武帝司馬炎
恵帝
懐帝と愍帝
魏晉両王朝の滅亡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
6
タイトルからは司馬炎の評伝のようだが、実際は晉(西晉)という国家の通史となっている。西晉の滅亡を「魏晋国家体制の崩壊」と位置づけ、「後漢滅亡の要因を魏晋両王朝も内包し、克服できなかった」とエピローグで論じている通り、本書の主要な関心は魏晉の国制にある。宮崎市定、谷川道雄など京大東洋史の流れを色濃く感じる硬派な著書であるが、『晋書』などを中心に各時代の人物の紹介があり、読み物としても興味深いものとなっている。悪女とされるの賈南風、乳母の墓碑から見られる意外な一面、とか。2019/09/19
URI(病気養生
4
題名は司馬炎だが、司馬懿から司馬師司馬昭を経て司馬炎、八王の乱を経て西晋の滅亡までを描いている。八王の乱がまだわかりやすい2020/01/05
中島直人
4
この時代、登場人物にしても、社会の流動性という観点からみても、動きがあり過ぎて、正直ついていけず、理解が難しい。結局、印象が非常に薄い。2015/01/17
Oltmk
2
三国鼎立を終わらせた西晋の武帝・司馬炎の業績をまとめた伝記かと思う人間はいるだろうが、内容は司馬懿から司馬炎までの司馬一族の業績、司馬炎以後は西晋を滅ぼした八王の乱・永嘉の乱をまとめた書籍となっており、三国志以後の時代を知りたい人間にとってもお勧めの書籍です。八王の乱の原因を統一後の司馬炎の不摂生に求める事なく時代の流れなども合わせて求める事が出来ており、八王の乱にまつわる偏見や誤解を解く事が出来る専門書です。中国史に興味のある人間なら、是非とも読んでほしい専門書の一つ。2018/11/20
BIN
2
司馬炎というより、西晋の司馬一族の解説本。西晋時代は外戚に翻弄された時代だなと思う。漢初のころの周勃とかのような忠臣、名臣が力をもっていればもう少しもったんだろうけど、非常に残念な時代。私の好きな羊祜や杜預がよく書かれていたのは非常によかった。2012/05/20