内容説明
思いもよらぬ発見が、目の前にあった。半世紀以上前、著者によって好アルカリ性微生物が発見された。それは、かのパスツールの常識を覆す大発見だった。ノーベル賞がカバーする範囲も超えており、すぐには信じてもらえなかった。それもいまや“常識”となり、火星生命探査に根拠を与えるとともに、洗剤「アタック」や消臭剤「ファブリーズ」などの革新製品も生んだ。
目次
微生物こぼれ話
熊谷から見た真っ赤な空
農芸化学を専攻、アメリカ留学へ
ヨーロッパ旅行
結婚、長男の誕生
好アルカリ性菌の発見
研究に没頭、思わぬ出来事もいろいろ
掘越特殊環境微生物プロジェクト
アタック発売、東工大教授へ
英国ケント公よりゴールドメダル
JAMSTEC深海微生物研究グループ
天皇陛下と深海生物
極限生物研究の教育と発表の場
著者等紹介
掘越弘毅[ホリコシコウキ]
1932年埼玉県生まれ。農学博士。1956年東京大学農学部農芸化学科を卒業。63年に東京大学大学院博士課程を修了し、理化学研究所研究員。74年より主任研究員を務めた。88年より東京工業大学生命理工学部教授、93年より東洋大学大学院工学研究科教授、98年より海洋研究開発機構極限環境生物圏研究センター長などを歴任した。1968年に好アルカリ性細菌を発見し、今日に続く極限環境微生物研究の突破口を開いた。まさにこの分野のパイオニアとして、その名は世界にとどろいている。国際極限生物学会名誉会長、海洋研究開発機構フェロー、極限生物学会会長(日本)などを務めている。紫綬褒章(1987年)、英国国際バイオテクノロジー協会ゴールドメダル(1991年)、本田賞(1992年)、日本学士院賞(2006年)などを受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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