出版社内容情報
これは、未完成の国産戦闘機F-2を、航空自衛隊のエースパイロットと整備員が「平成の零戦」へと鍛え上げた、知られざる戦力化の物語である。
航空自衛隊の主力戦闘機F-2。その開発から配備初期には、国産機ゆえの数々の試練と不具合が立ちはだかりました。しかし、現場の最前線に立つ歴代飛行隊長、現役パイロット、そして整備員たちは、その困難に真正面から向き合い、命懸けで機体の限界を確かめ、技術と戦術を磨き続けました。
本書は、F-2が敵航空機の迎撃から洋上・陸上侵攻阻止まで、多様な任務を担う「マルチロール戦闘機」へと進化していく過程を、第3飛行隊の歩みを軸に、彼ら自身の証言を通して克明に描きます。
F-2に注がれた隊員一人ひとりの情熱と覚悟、そして空を守る責任を背負った人間たちの姿が、この国産戦闘機の真の価値を雄弁に物語るでしょう。
あなたは、日本の空を守る彼らの「誇り」と「真実」を、この一冊で目撃する。
【目次】
「まえがき」に代えて
F‐2は今も進化を続けている──内倉浩昭 航空幕僚長(現・統合幕僚長)1
空幕長自ら広告塔! 1
進化するF‐2戦闘機 3
「F‐2パイロットは滅茶苦茶忙しい」8
もっともっと活躍して欲しい戦闘機 10
第1部 F‐1からF‐2へ 21
第1章 誰にF‐2を任せるか──杉山政樹元空将補・山田真史元空将 22
空自人事の舞台裏 22
F‐2初代飛行隊長はこうして決まった 28
〝茨の翼〟を託された男 31
第2章 F‐2初代飛行隊長──伊藤哲元空将補 33
F‐1支援戦闘機からF‐2へ 33
「フラコン」が現代戦闘機の能力を決める 38
安全を確認するため命懸けで飛ぶテストパイロット 46
F‐2準備班から「臨時F‐2飛行隊」へ 51
人材も機材も不足の中、F‐2飛行隊を練成 55
Gに耐えるAGSM(筋肉緊張+呼吸法)61
F‐2を戦力化する──最前線を守る飛行隊長の思い 65
F‐2試験機で初のマッハ超え 70
「ゼロ」の思いを体現したF‐2戦闘機 72
第3章 航空自衛隊とF‐2──支援戦闘機からマルチロール戦闘機へ 77
支援戦闘機という「攻撃機」77
ASM開発の潮流に日本は乗ることができた/F‐2の主武装となったASM‐2/次世代の対
艦ミサイルASM‐3
F‐2開発の経緯 84
FS‐X事業/F‐2開発三つの選択肢/ライセンス生産か国産か/「F‐16をベースにした日
米共同開発」で合意/試作機開発開始の遅延
FS‐XからF‐2へ 93
新規開発にともなう難題を解決/「申し分ないエンジン」/量産初号機の納入/マルチロール戦
闘機としての地位を確立/F‐2能力向上型/F‐2からF‐3へ
F‐2の配備と歴史 106
第3飛行隊(2000年配備)/第6飛行隊(2004年配備)/第8飛行隊(2008年配備)
/第21飛行隊(2002年配備)
第4章 最後の最後まで飛行隊長──村上享由元1等空佐 113
水泳が苦手で空自を受験 113
ASM‐1ミサイルの導入で戦術が変わった 118
恐怖の超低空夜間飛行 122
対艦ミサイル4発搭載──F‐2の洋上侵攻阻止 123
F‐2ならアウトレンジで戦える 127
戦闘能力点検に合格して一人前の飛行隊へ 130
「プラマイゼロ」の精度で攻撃 133
退官の日まで飛行隊長 137
第5章 第6飛行隊・F‐2初代飛行隊長──松尾洋介元空将補 140
「戦闘機に乗るべき運



