内容説明
日本で検察官になった初の台湾人・王育霖―台北高等学校を首席で卒業後、東京大学法学部に留学。在学中に司法試験に合格し、京都地方裁判所検事局に勤務。ここで捜査や公訴手続きなど検事の実務を学ぶ。戦後、台湾・新竹で検察官として数々の不正、汚職を摘発し、台湾司法の健全化に努めたが、結果的にそれが〓介石・国民党の恨みを買い、二・二八事件の混乱に乗じて逮捕・連行され、いまも消息不明となる。権力を恐れず、法律を堅持し、正義を守った「公正無私の検察官」の激動の生涯!
目次
第1部 台湾司法改革の先駆者(二・二八事件で帰らぬ人に;気骨の検察官;「二・二八事件」の実相;父の遺志を継いで)
第2部 妻、正陳仙槎の証言(官田の陳家;台南の王家;戦時下の京都勤務;台湾人青年の殺人事件;帰郷、台湾へ ほか)
著者等紹介
王克雄[オウカツオ]
台湾人。王育霖の長男。終戦直前の1944年6月、日本・京都で生まれる。国立台湾大学電機学科を卒業後、アメリカへ留学し、電気工学の博士号を取得。海外在住ながら台湾の民主主義、自由、独立運動に非常に強い関心を寄せ、社団法人台湾人権促進会に参加、美麗島事件で拘束された活動家の救援サポートを行なったほか、米サンディエゴでは複数の後援会で会長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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