内容説明
先の大戦での戦没日本兵165万人のうち37パーセントを占めるといわれる“広義の餓死者”。だが、1950年代のベトナム兵たちが主用したような「押して歩く自転車」を、兵糧輸送と患者後送の手段として役立てる着想があったなら、餓死者数はゼロにおさえられた可能性がある。ではなぜ帝国陸軍のエリート参謀たちにはそれができなかったのか?これまで誰も答えてくれなかった疑問を、本書はひとつひとつ解き明かす。古今の自転車技術を探り、“追試実験”によって確かめられた真実…。日本兵は“餓死”する必要はなかった!
目次
第1章 インパール作戦―「置き去り」にしたかどうかで決まった「餓死者数」
第2章 日露戦争は「自転車にとってのタイミング」が悪かった
第3章 なぜ「マレー進攻作戦」だけが「銀輪」活用の成功例となってしまったのか?
第4章 「東部ニューギニア」と「ガダルカナル」の悪戦を、自転車は変えられたか?
第5章 ベトナム人だけが大成功できた理由は?
第6章 自転車は「エネルギーと食糧の地政学」をこれからも左右する
著者等紹介
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年長野市生まれ。陸上自衛隊北部方面隊、月刊『戦車マガジン』編集部などを経て、作家・フリーライターに。現在は函館市に住む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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