内容説明
戦争にはルールがある―明治の軍人は文明国の軍隊として国際法に則り正々堂々と戦った。本書は、その戦いぶりを広く欧米社会に知らしめるために刊行された名著『日露陸戦国際法論』を要約・解説したものである。同書の著者は満洲軍の国際法顧問、陸軍大学校教官の有賀長雄博士。ここには敵が白旗を掲げた場合の対応、傷病兵の保護、遺体の処理、降伏勧告の要領、捕虜収容所の管理など、現代戦においても適用可能な武力紛争法上の諸問題が戦例をあげながら解説されている。陸上自衛隊の法務課法規班に長く勤務し、有事関連法制の整備にも携わった著者が「武力紛争法」の基本知識をわかりやすく解説!
目次
日露陸戦国際法論
日本軍と国際法
戦闘地域
交戦者及び非交戦者
衛生部員及び衛生機関
害敵手段
旅順の攻囲と砲撃
旅順開城
樺太占領
俘虜の取扱い
傷者及び病者の救護
死者の保護と戦場掃除
軍律及び軍事裁判
休戦及び講和の交渉
著者等紹介
佐藤庫八[サトウクラハチ]
1950年長崎県生まれ。元陸上自衛隊幹部学校防衛法制教官。1969年陸上自衛隊に入隊。1976年中央大学(法学部)卒業後、幹部自衛官として採用。94年から2005年まで陸上自衛隊陸上幕僚監部法務課法規班(02年から05年まで法規班長)に所属し法務職域に従事。有事関連法制等の整備に携わる。2006年2月定年退官、その後、再任用自衛官として任用され幹部学校教官として2015年2月まで勤務し再退官。現在、学校法人加計学園千葉科学大学危機管理学部教授。防衛法学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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