内容説明
領土的野心を隠さず、ほぼ全方位で周辺国と衝突をくりかえす中国。なかでも共産党体制の生き残りをかけて狙っているのが、優良な油田を有するボルネオ島と、それに隣接する南沙群島だ。将来、中国軍と英米軍が激突する戦争が起きるとしたら、この南シナ海を措いて他にない。石油飢餓から狂犬と化した中国軍の矛先をいかにして他方面へ向けさせるかという競争が、東アジア諸国のあいだで始まっている…。
目次
第1章 「大慶油田」のトラウマ
第2章 出て行くところはブルネイ
第3章 シナ版「大東亜共栄圏」の悪夢
第4章 「空母海戦」に勝算はあるのか?
第5章 原発をいかにして巡航ミサイルから守るか
おわりに―シナ軍は弱い。だからどうした?
著者等紹介
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年長野市生まれ。高卒後、北海道の陸上自衛隊に2年間勤務し、1990年、東京工業大学理工学研究科社会工学専攻博士前期課程修了。現在は評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeshi3017
1
近年日本の尖閣諸島沖で中国船による領海侵犯や領空侵犯、威嚇行動が問題になっているが、本書はそんな迷惑な隣国である中国が何の目的を持ってそんなことをしているのかという問いに答えている。中国は日本だけに意図的な嫌がらせ行動をとっているのではなく、全方位の周辺国と衝突を繰り返している。例えばフィリピン、ベトナム、インド、マレーシア等々の国々である。しかし中共の本当のねらいは貧弱なガス田しか存在せぬ、尖閣諸島のEEZを含めた「東シナ海」などにはない。それは第一義的にボルネオ島(カリマンタン島)なのであり、ボルネ→2023/12/27
がんぞ
1
国際的非難・国際司法判断をものともせず自ら決め石油確保の道を突っ走る現在の支那は、「対米開戦直前の日本に酷似している」という。軍に主権事項判断権原が分散され、数々の侵略的行為の判断・責任が何処にあるのかさえ分からない処も。/「台湾攻略を軍はしたがっているが(楽勝だが)江沢民(日本留学がコンプ)がさすがに反動を恐れ抑えている」/「尖閣諸島を防衛するには少数の自衛隊を駐在させるだけで良い」あれほど領海侵犯、官製デモ(在支・日本大使館へのテロ)されて「友好国」との建前を崩したくないコトナカレ主義は偽憲法の大弊害2017/07/19
Hydeo O.tany
0
この本を読んで最大の発見は、日米安保が石油に付いて一言も触れていないということだ。2016/12/24