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内容説明
敗戦から六十余年、未だに「陸軍悪玉・海軍善玉論」がまかり通るが、太平洋戦争は海軍の戦いであり、敗戦の責任は海軍にある。アメリカの物量に負けたというが、それも事実ではない。最大の原因は、日本海軍の戦略的失敗にある。兵站がつながらない太平洋の島々に守備隊を置いて戦う「島嶼戦」の発想は兵法無視であり、空母艦隊決戦による「制海権」の争奪を理解できず、連合艦隊司令部はいたずらに主力艦を温存した…。机上の図上演習しかできない海軍参謀の致命的な欠陥を明らかにする。
目次
第1章 太平洋戦争は海軍の戦争だった(両大戦を通じて大量の餓死者を出した軍隊は日本軍以外にない;島嶼戦という概念は各国の軍事学において存在しなかった ほか)
第2章 制海権なき海軍戦略(海戦を決したものは主力艦の数と能力;日本海軍が三十年かけて練り上げた「漸減邀撃作戦」 ほか)
第3章 勝敗を決めた空母艦隊決戦(昭和一七年と昭和一九年の日米空母艦隊決戦;戦略的敗北ではなかった珊瑚海海戦 ほか)
第4章 太平洋戦争の敗因(海戦の最大の戦果とは、決戦海面の制海権である;日本海軍は海戦に勝利しても、すぐ逃げ帰ることを習性にした ほか)
第5章 大日本帝国の終焉(陸軍の人事権をめぐる争いで宇垣内閣流産;現役官僚が大臣を指名する現役主義が常態化した ほか)
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家。ホームページ『第一次大戦』を主宰するほか『ゲーム・ジャーナル』(シミュレーション・ジャーナル社)に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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