内容説明
「いいか。この団体はカイロ団ということにしよう。わしはカイロ団長じゃ。あしたからみんな、おれの命令にしたがうんだぞ、いいか。」まんまとだまされたあまがえるたちは、その日からカイロ団長の思うがまま。ひどい仕事を言いつけられる。ところが、そこへとつぜん、王さまのご命令が鳴りひびいた!
著者等紹介
こしだミカ[コシダミカ]
1962年、大阪府生まれ。身近な生きものを観察しながら暮らし、紙や布に絵を描き、立体造形を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
64
読み友様からのご紹介本📚宮沢賢治らしい!上で権力をふりかざす人を木端微塵!!!読み友さんも書いておられたが今の日本にはぐうたらな権力者、政治家を蹴散らす人が必要。2023/02/24
とよぽん
51
弱い者いじめをただす! 表紙はおどろおどろしさあふれる迫力だが、次々とページを繰るとあまがえるたちの可愛い姿、かえるたちの手による庭が描かれる。それにしても、ずる賢く意地悪なとのさまがえる、善良なあまがえるたちを酷使してひどい。あまがえるたちが過労死する、と思ったとき、かたつむりが王様の新しい命令をつげて・・・。こしだミカさんの絵が見事だ。独裁者は悔悟の涙、あまがえるたちの慈悲が光る。2015年初版、新鮮な味わいだった。2022/12/25
優希
45
カエルたちの愛嬌に癒されました。2021/12/09
ヒラP@ehon.gohon
28
実直なあまがえるたちを、酒を使って自分の支配下に置こうとした、とのさまがえるの悲哀の話というのでしょうか。 搾取する側、搾取される側の図式が王様の気ままな勅令で振り回されるユーモラスなお話ですが、宮沢賢治なりの理屈っぽさでまとめられています。 カイロ団長と名乗ったとのさまがえるのユーモラスな絵に惹きつけられましたが、振り回されるあまがえるたちはちょっとかわいそうです。 それでも、ダウンしてしまった団長をいたわるあまがえるたちは素晴らしいですね。2022/12/01
遠い日
17
人がこうあるべきという本質を、賢治にずばりと斬り込まれれば、「はいそうです」と頷いてしまうわたしがいる。カイロ団長の横暴と虐げられる30匹のアマガエルのやりとりをたっぷり見せられてからのことばだけに、それはもうすんなりと腑に落ちるのである。2016/01/23