内容説明
時たまベストセラー本を出すが赤字続き、しかし出版社としての「志」は保っている自称名門出版社に、病み上がりの戸田はいきなり編集長として迎えられた―。大人の風格をもつが商売下手な奥林社長はじめ、風変わりな同僚らと過ごした濃密な日々。起死回生のロングセラーを目指して苦闘しながら、戸田はここで出版ビジネスのすべてを体得していく。戦後は終わったと言われた時代の世相を背景に、飯田橋に程近い古ビルの一隅で繰り広げられた小出版社の転変をユーモラスに描いた一篇。
目次
1 病余者駆け出し編集長
2 ロングセラーへの布陣
3 「志」出版の陰の部分
4 泥酔大使館員も大切な協力者
5 器量あれど商才乏しき大人
6 ベストセラー成算と誤算
7 社長のポケットから増給封筒
8 自称・航空界の大功労者
9 麦畑の「愛の現場」撮影の秘技
10 羽田空港ペッパー事件
終章 出版脇街道好人録
著者等紹介
藤井章生[フジイアキオ]
1924年、北九州市生まれ。1945年、肺患のため旧制福岡高校文科を中退。以降数年間療病生活。軽快して暫時の復学、就職。1952年、平凡社「綴方風土記」編集部在勤中に肺患が再発して退職帰郷。外科手術等によりほぼ完治した。1957年から(株)出版協同社編集長。1967年、(株)日本メールオーダー出版部長。1976年、米国タイムライフ・ブックス日本法人取締役編集局長。1984年、(株)アスキーに入り取締役出版局長。引きつづき同社の常務、専務、副社長を歴任した後、代表取締役会長となる。1997年、相談役で退社。余生はささやかな文筆活動
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 洋書
- Jane Goodall