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福岡伸一、西田哲学を読む―生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一

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  • サイズ A5判/ページ数 356p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750345338
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0010

内容説明

「動的平衡」概念の提唱者・福岡伸一氏(分子生物学者)が、西田哲学の継承者・池田善昭氏(哲学者)を指南役に、専門家でも難解とされる西田哲学を鮮やかに読み解く。その過程で2人の碩学は生命の真実をがっちり掴む1つの到達点=生命の定義=にたどり着く…。西田哲学を共通項に、生命を「内からみること」を通して、時間論、西洋近代科学・西洋哲学の限界の超克、「知の統合」問題にも挑んだスリリングな異分野間の真剣“白熱”対話。

目次

プロローグ―西田幾多郎の生命論を解像度の高い言葉で語りなおす(福岡伸一)
ダイアローグ 福岡伸一、西田哲学を読む(池田善昭×福岡伸一)(西田哲学の森に足を踏み入れる;西田哲学の森に深く分け入る;西田の「逆限定」と格闘する;福岡伸一、西田哲学を読む;動的平衡と絶対矛盾的自己同一の時間論;西田哲学をいまに活かす)
理論編 ピュシスの側からみた動的平衡(福岡伸一)
エピローグ―生命を「内から見ること」において統合される科学と哲学(池田善昭)

著者等紹介

池田善昭[イケダヨシアキ]
哲学者。1936年山形県生まれ。1968年京都大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。ライプニッツ・アルフィーフ客員教授、神戸学院大学教授、静岡大学教授、立命館大学教授、統合学術国際研究所所長を経て、現代文明研究所所長および静岡哲学会会長

福岡伸一[フクオカシンイチ]
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞し、80万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)をはじめ、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著書多数。2015年から、読書のあり方を問い直す「福岡伸一の知恵の学校」をスタートさせた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

春風

20
西田幾多郎の実在論の「生命の捉え方」と、福岡伸一の提唱する思想「動的平衡」を照応する対話。動的平衡とは、シェーンハイマーのいう「身体構成成分の動的な状態(Dynamic state)」を深化させた、時間を先回りしバランスすることによってエントロピーの増大を減速させる静的な到達点のない動的非平衡(Dynamic equilibrium)をいう。西田生命哲学に通底するテーマはピュシスの復興という。絶対矛盾的自己同一として、矛盾律に抵触する二者を主客未分の状態で感得する事により、実在的な絶対的認識を試みている。2020/04/14

シタン

19
西田哲学を哲学者と科学者が“鮮やかに”読み解いたと主張する本。西田哲学を科学の言葉で明晰に語るのかと思ったが、そうではない。むしろ科学と西田哲学を対置させて、“ロゴス”と“ピュシス”の二元論を展開している。西田哲学を絶対的真理と扱っていてほとんど宗教になっていると思う。今度は是非リチャード・ドーキンスを交えて鼎談していただきたい。ちなみに福岡氏を調べるとあまり論文がなく、むしろ一般向け本を書いているが、その中の有名な本はシュレーディンガー『生命とは何か』(岩波文庫)のあとがきの中で痛烈に批判されている。2018/05/19

ミエミル

19
★2.0 新幹線で二度読みかけて、二度とも寝てしもうた。世界は分けても分からない、ってことだと、ひとまずラフに理解しました。2018/03/22

春風

17
テーマはロゴス(論理)対ピュシス(自然)。福岡伸一先生が池田善昭先生とのダイアローグを通して、西田幾多郎哲学の生命論を読み解こうと試みるもの。ピュシスとは常に隠れている存在であるため、ロゴス的な思考形式をもつ現代人としては難解であった。西田哲学の重要用語「逆限定」に関しては、一章をまるまる費やしており、理解に近づけたと思う。最後には理論編として、西田哲学で基礎づけた福岡先生の動的平衡論が展開されている。数理モデルでも動的平衡が表され、また生命の誕生論として動的平衡の誕生の仮説も提示されており興味深かった。2017/07/18

Gokkey

13
西田が生命について深い思索を巡らせていたこと自体がまず発見。キーになるのは初めの年輪のたとえの部分。これを理解するにはユクスキュルの主客合一の立場で生物と環境を見る視点が不可欠かと。生物は環境から働きかけられると同時に環境に働きかけて動的平衡を保つ。このやりとりにおける生物側の「先回り」は現在から未来に備えたタイムラグとして認識され、これこそが生物にとっての絶対時間の根源となる。つまり環世界で歴史を生成する主体こそが生物という存在である。この環世界が様々な形で存在している様が西田にとってのピュシスと理解。2019/11/15

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