内容説明
裕福な家庭に育ち、渋谷でカリスマ的人気を誇るDJ結城譲、沖縄の貧困家庭に育ち、陰惨な事故の暗い過去を持つ赤嶺丈、容姿、生い立ち、あまりにも対照的なふたりがある日、渋谷で遭遇した。その日を境に、ふたりの運命の糸は絡み合い、もつれ始める―。クールなリリシズムで青春群像を描く新進気鋭の作家の手によって、梶原一騎の遺作は、ついに壮麗なドラマとなって完結した。
著者等紹介
木村光一[キムラコウイチ]
1962年、福島県生まれ。東京造形大学デザイン学科卒。広告企画制作会社勤務を経て、フリーランスの編集者、ライターに。(株)ルー出版編集長を経て作家活動に入る
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感想・レビュー
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えみ
63
努力が才能を頂点まで突き上げた時、その栄冠は誰の手にあるか。そのチャンピオンベルトは誰が掲げるのか。苦しみ悩み、汗と血が滲んだ壮絶な闘い。柄にもなくボクシングというスポーツに熱を上げ、胸に込み上げてくる感情を素直に嬉しく思えた読書時間を過ごした。ボクシングと言えばやはりジョーなのか…丈と譲、2人のジョーが男の意地とプライドを懸けてリングに立った!彼らの闘いはどんな世界を見せてくれるのか、本当にドキドキしながら頁を捲った。ほんの一握りの選ばれた者がほんの一瞬だけ浴びることのできる栄光の輝き!最高に感動した!2022/10/15
朱音
0
「ジョー」と聞いて誰を思い浮かべるか…大体は「矢吹丈」だろうしアニメマニアなら「コンドルのジョー」かも。(たぶん「島村」は出てこないだろう)これは原案・梶原一騎とあるように「あしたのジョー」のほう。(もう一人のかたは梶原氏の弟だそうだ)ボクシングに賭ける若者を主人公にしている。で、二人のジョーなんだけど、対照的な二人を並べることでいきいきと描いてるって言うか、うまいんだよね。これ、漫画にしてみてもいいかもしれない。面白かった。2002/09/01