目次
1 平野啓一郎の分人モデル(個人から分人への人間の基本単位の変更とその理由;個人を人間の基本単位としてきた主な理由;「本当の自分」神話と「本当の自分/ウソの自分」モデルの問題点;社会の複雑性の縮減としての役割モデル;分人を人間の基本単位とすることによる自己/他者理解の変革;分人の実践的効用)
2 「本当の自分」神話の病理(他者論不在の精神分析―「本当の自分」神話の強化;「本当の自分/ウソの自分」モデルの病理―R.D.レインの学説を中心にして)
3 分人モデルの先駆け(J.ラカンの分人論―「3人の囚人」の思考実験;今日の若者の対人関係にみる分人傾向―対人的フリッパー志向;分人主義と脱アイデンティティ―ナラティブセラピーにみる分人)
4 分人モデルのエビデンス―ニューラルネットワーク理論・ポリサイキズム・ポリフォニー
5 分人主義の光と影(分人主義の影―監視カメラと雇用のダークサイド;分人民主主義の可能性―複雑なものを複雑なまま捉える)
著者等紹介
中井孝章[ナカイタカアキ]
1958年大阪府生まれ。現在、大阪市立大学大学院生活科学研究科教授。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。