内容説明
それはある日、突然はじまった。癌だった。―腎細胞癌。大家族を夢見た父ヒーロー(ヘルヴィッヒ)・ヴィーラント。家族は増え、会社も経営し、人生は順調かに思えた。ところが、病をきっかけに、つぎつぎとあらわになる家族のほころび。5人の子供と孫たちが抱える悩みや問題の数々。できちゃった結婚をする息子、外国人と付き合う娘、借金をする息子、庶子を生んだ娘と孫娘。…欠点だらけの家族。不治の病のヒーローは、病と、そして崩壊しそうな家族とどう向き合うのか。父が家族に残した最後の贈り物とは?家族とは何なのか、それぞれの視点からユーモアたっぷりに語られる、心に響く「ある家族の物語」。
著者等紹介
レープ,ロート[レープ,ロート] [Leeb,Root]
1955年、ドイツ・ヴュルツブルク生まれ。ミュンヘン大学でドイツ文学、哲学、社会教育学を専攻。外国人のための語学教師や、路面電車(トラム)の運転手を経て、デザイナー、イラストレーターとして独立。夫で作家のラフィク・シャミの著作の装画を手がけるなど、夫婦の共同作品も多数
新朗恵[アロウメグミ]
1971年、東京都生まれ。詩人・翻訳者。シュタイナー教育に興味をもち、渡独。その後、スイス・ドルナッハの言語造形・舞台芸術アカデミーにて言語造形(朗読・演劇)を学んだのち、ハンガリー・ブダペストの私立教育大学にて講師を務める。帰国後、早稲田大学で比較文学について学ぶ。現在は、言語造形を紹介するため「ことば塾WORTE(ヴォルテ)」を設立・主催するかたわら、詩人・ドイツ文学翻訳者として活動している。「歴程」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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