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内容説明
「キリストのまなざし」「男しか登場しない絵」「洒落た上着と帽子の羽根飾り」「叫び―殺人者か、恐怖する目撃者か」「おなじみのモデル」…18のキーワードから名画を読み解く。
目次
掌璽院長=枢機卿の礼拝堂
複雑な注文の経緯
2枚の白いカンヴァス
対照的な2つの「物語」
祭壇のための絵画
部分解説(図版:『聖マタイの召命』;図版:『聖マタイの殉教』;図版:『聖マタイと天使』)
年譜:カラヴァッジョの生涯とその時代
著者等紹介
ズッフィ,ステファノ[ズッフィ,ステファノ] [Zuffi,Stefano]
1961年、ミラノ生まれ。美術史家。ミラノ大学卒業後、同大学大学院で中世・近代美術史を、ミラノ工科大学で博物館学を学ぶ。モンダドーリ・エレクタ(Mondadori Electa)社の編集顧問を経て、現在、活発な執筆活動を行っている
野村幸弘[ノムラユキヒロ]
1961年生まれ。岐阜大学教育学部教授。東北大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。イタリア政府給費生としてシエナ大学に留学し、イタリア美術史を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ゴールドまであと925日
15
もう数年前、大阪の阿倍野ハルカスへ行ったとき、偶々、ハルカスの上の方にある美術館で、このカルバッツョ展をやてちた。その素晴らしさに感動するとともに、そういう画家がいたことさえ知らなかったことを深く反省と後悔した。30代中ばで死んだイタリアの画家、キリスト教の弟子たちや聖書にある出来事、奇跡を描いた。しかも、一方的に悲劇的や称賛するものではなく、その聖なる苦しみとでもいうか、宗教、キリスト教の苦難を表す絵画を描いている。神とは、救い、苦しみを描いた画家なのだ。見る者をして宗教家とならざるを得ない絵である。2022/08/22
deerglove
3
マタイは誰か問題。こういうことを考えながら日々を過ごしたい笑。「聖マタイ伝」の3枚だけに注目して、その絵が描かれた背景や意図、魅力をていねいに探る。一度だけ「聖マタイ伝」ではないけれど、本物のカラヴァッジョの絵をみてその生々しい息遣いのようなものに圧倒された記憶があるので、ぜひ実物をみてみたいと思いました。2024/01/29
ユーディット
3
カラヴァッジョの評価は一定してとても高いものだが、彼の作品解釈は驚くほど研究者によって見解が異なる。時代や国の傾向もある。最も有名なコンタレッリ礼拝堂の「マタイの召命」はどれが彼なのかで全く意見が分かれている。私は最近の大方の見方である端の若者説ではなく、イタリア系の見解で中ほどの中年の男説。著者ズッフィもその説。殉教図では彼と見解が異なるけれど、日本の大方の意見と違うところがいい。色々読むべき。2016/06/05
takakomama
2
聖マタイ伝は「聖マタイの召命」「聖マタイと天使」「聖マタイの殉教」の3枚セット。深い黒と光のコントラスト、執筆しているマタイの赤い衣が印象的です。若者と老人、どちらがマタイなのかしら?2019/01/12
P-man
1
カラヴァッジョがサン・ルイージ・デイ・フランチェージ聖堂に描いた3枚のマタイの絵画を解説。専門家でもしばしば意見を異にする『聖マタイの召命』の誰がマタイやねん問題、私は一番左がマタイだとずっと思ってたんだけど(直後に顔を上げてイエスの光を受ける姿がイメージできてかっこいいから)、後ろの意地の悪そうな老人とセットで道徳的な意味合いをもたせているという解釈には説得力がある・・・くそう・・・2016/03/13