感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たみ
17
再読。シリア・ダマスカス出身、ドイツに亡命した作家さんの短編集。「昔むかし」から始まるお話が多くすらすら読める、ただ内容は噛めば噛むほど味が出ます。めでたし×2では終わらない話も多い。題名に「美しい」とありますがピカピカ金銀のそれではなく、何度も触って飴色になった木の細工の美しさが近いかも。皮肉や批判もあるけど、とうの文章はどこか離れていて、ぎらぎらしていない、柔らかで落ち着いた感じ。ハッサンやサレームといった名前の人の話だったり、カラス、羊、木たちが主人公。2015/07/11
mntmt
14
すごくおもしろかった。夢中になって読んだ。大人のための寓話集です。1991年、ドイツ。2015/11/01
ゆう
10
全体的にあまり好みではなかった。寓話らしく、単純化された善と悪、あちら側とこちら側という構図が多い。どう読めばいいかわからない話が多かったが、最後の『吸血鬼とニンニクの真実』と訳者あとがきを読んで、作者の出自と視点を理解すると、一本芯が通る気がする。2024/08/10
やまはるか
8
イソップ童話のような動物などの17の物語。ある物語は「昔むかし、その小さな村は、本当にあったかもしれないし、なかったかもしれない。」の口上ではじまり、途中でまた「昔むかし」と同じ口上が挿入されて物語の中の物語のはじまりを表す。表題の「空飛ぶ木」はリンゴとアプリコットの木の間に芽を出した幼木が何の木になるか決めかねて場所を空けて貰えず、鳥たちに運ばれて川の中に場所を見つける。必ずしも子供向けの童話として書かれたものではなく、ヨーロッパ文化とイスラム文化の交わりの場として読む者に考えることを求めて来る。2021/02/08
relaxopenenjoy
4
シリアからドイツに移住したラフィク シャミの寓話集。短篇が14ほど。奥様が表紙イラストや挿絵を手掛けている。教訓めいた「南風」、ダマスカスが舞台の「パン屋といかさま師」、孤独なアミンを巡る物語「タマネギ」などが良かった。蟻や羊、カラス、コオロギ、ネズミ、木など、人間以外の生き物のお話が多かった印象。2022/06/02
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