内容説明
人生の練達者である著者が、自らの経験に基づきながら、親兄弟や師弟、友人、知人、恋人とどのようにつき合っていったらよいか、平易にユーモアを交えながら説く秀逸な人生の処方箋。
目次
イヤなやつ
秀才気質
つき合いのいい人
名もない虫
割勘について
悪口について
物くるる友
他人の秘密
話題について
酒の飲みかた〔ほか〕
著者等紹介
河盛好蔵[カワモリヨシゾウ]
1902年大阪府堺市に生まれる。京都帝国大学文学部文学科卒業。パリ大学、グルーノーブル大学に留学。翻訳家、文芸批評家として主に仏文学の紹介に努める。『フランス文壇史』(読売文学賞)、『パリの憂愁 ボードレールとその時代』(大仏次郎賞)など著書多数。広範な文筆活動によって菊池寛賞を受賞。共立女子大学教授、芸術院会員。文化勲章受章。(2000年3月逝去)
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感想・レビュー
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きりぱい
9
一見、自己啓発の類の本に思えるけれど、フランス文学者である著者から期待する通り、フランス文学はもよとより、チェーホフが、スターンが、漱石が、鴎外が・・と、文学作品がそこここに引き合いに出され、文人のエピソードがからんでくる面白いエッセイになっている。戯曲『客』から入る「名もない虫」や、じわっときてしまう「母親について」が特にいい。鹿島茂が最初に一文を寄せているけれど、そこから見える人柄からして愉快そうで、鹿島氏のエッセイと同じ匂いがする。古いけれど、今でも変わらない人付き合いのエッセンス。2012/04/16
gtn
3
相手の専門分野だけでなく、一般的な問題について意見を乞えば、自分の意見が世間で興味を持たれているのかなと喜んでくれると、ドイツの伝記作家、エミール・ルードヴィヒのインタビューのコツを紹介しているが、これは使えますね。2017/11/22