内容説明
数多くの映画音楽を手がけ、一方で注目のソロアルバムを発表し続ける屈指のメロディ・メーカー久石譲、初の書き下ろし。4歳にしてすでに音楽家を志し、今なお理想の音楽を追い求め闘い続ける…。
目次
第1章 My Lost City
第2章 映像作家との幸福な出会い(宮崎駿とその音楽;沢井信一郎とその音楽;大林宣彦とその音楽;北野武とその音楽)
第3章 映画音楽への挑戦
第4章 遙かなる音楽の道へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
60
「ナウシカ」や「トトロ」の音楽を作った久石さんの、音楽とのつきあい、映画の制作エピソードが非常におもしろい。宮崎監督が、直前まで決まっていた音楽家と交代させてでも、久石さんの曲を望んだ話には、作品へのこだわりが、並大抵ではなかったことがわかる。そこまでだったからこそ、名作は生まれたのだなと。元々はクラシック、現代音楽を作曲し、ミニマルミュージックにも関わった、サウンドに求めた厳しさは、澤井・大林監督の作品にも生きている。どの監督も音楽を重視してこだわった人だったと知り、改めて鑑賞したくなった。1992年。2021/03/17
アメヲトコ
7
1992年刊。今やジブリ音楽の作曲家として超有名な著者ですが、本書執筆時はまだ41歳。最高傑作『My Lost City』を発表したばかりのときで脂がのりきっていて、文章の隅々にまで自信が漲っています。宮崎駿や澤井信一郎、大林宣彦、北野武らの映画監督との仕事の裏話は面白く、一方でそうした大監督に対しても一切妥協しないこだわりも率直に綴られます。時には気に入らない相手や作品をかなりボロクソにこき下ろす下りもあったりして、これくらい尖ってないといい作品はできないのだなと思わされます。2024/08/22
kou
2
映画やドラマに音楽は欠かせないが、それを作り上げる舞台裏や作曲者の考え方に触れることができた。ここは普通の仕事と同じように効率化を図ったり妥協したり、でもここにだけは譲れないこだわりが…というキモの部分が、素人である自分との想像とはズレていたのが興味深かった。これから映画を見る際に、音楽の聴き方も変わってくる気がした。2011/02/06
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