目次
1 ヴィクトリア朝時代のおとぎ話(教訓的なおとぎ話;風変わりなお姫さま;お姫さまは森の中で)
2 児童文学における少女(子ども部屋の反乱;自伝を語る少女たち;冒険する少女たち)
著者等紹介
廉岡糸子[カドオカイトコ]
梅花女子大学教授。19世紀に創作された英米の児童文学、特におとぎ話、ファンタジー、少女小説・家庭物語におけるヒロインや当時の女・子どもに関わる文化に興味がある
近藤眞理子[コンドウマリコ]
梅花女子大学助教授。19世紀英国小説およびヴィクトリア朝文化が主な研究テーマである。特に当時の女性・少女をめぐる諸問題に関心がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふたば
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面白かった。軽んじられていたおとぎ話・ファンタジーが再評価され、家父長制ガチガチのヴィクトリア朝の教訓話として少女たちに「忍耐」「優しさ」の美徳をすりこむものに利用され始めたところから、段々と、ものを書く、男性の領域だと思われていた言語活動の力を持つ女性たち(そして一部の賢い男性たち)によって、少年の美徳とされていた「勇気」をもつ少女たちがこうした文学ジャンルの中に描かれて行く様が、様々な作品を例に紹介されている。少女の活躍の場の多くがファンタジーだったのが、やがて現実世界の中で冒険し始めるのが嬉しい!2015/04/02