感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
8
図書館本。「金色の影」を読んだ後、同シリーズ【心の児童文学館】を興味の持てそうなものから。少年マダーのケルト族での暮らし、バイキングの捕虜としての暮らし、その後の安寧であるはずだった修道院での暮らし。古い神々は計り知れなく遠くにあるし、新しい神さまは人間の思惑の近くに見え隠れする。運命に狩られるキツネのようなマダー。(さて、わたしは自分の神さまが見つかるのだろうか)2017/09/20
qbmnk
0
バイキングの時代のたくましい少年の物語。社会の中の宗教のあり方の難しさや救済とは何かなど、考えさせられる題材を扱っている。少年は周りの大人たちを見て行動しているが、思春期の鋭い感受性を持て余しているようなところもある。傷付いた心を抱えて暴力の中に身を置くところは、他人を傷付けることで自身の心も更に傷付けている。単純に粗暴な人間と同じ行動をしていても更生の可能性に差があるように見える。暴力を受ける側からすれば何も変わらないところも残酷に思う。蛇の剣のエピソードは途中忘れられてるようでやや物足りない。2024/06/26