出版社内容情報
安全な水を安定して確保するには、どのような森が必要なのか? 5年間を費やした実証研究に最新のデータを加えて、「循環の世紀」に必要な水と森の保全戦略を示した好評書。2刷。
序 章 21世紀の水と森
0-1 危機にある世界の水資源
0-2 日本の水利用の現状
0-3 減少・劣化がつづく世界の森林
0-4 日本の森林の現状
0-5 水と森林をめぐる地球の歴史
第1章 地球の水循環と森林
<水循環のあらまし>
1-1 地球の水の量
1-2 地球を循環する水
1-3 水循環と地表環境のかかわり
<森林と熱・水・大気>
1-4 世界と日本の森林分布
1-5 森林と日射エネルギー・蒸発散の関係
1-6 森林の形態と気象・大気への影響
1-7 森林と炭素循環(温暖化)の関係
<水・森林と地球・地域>
1-8 広域的な水循環と森林の関係
1-9 地球環境と地域環境のかかわり
第2章 水をまもる森林の働き
<水をまもる機能>
2-1 水源かん養機能を証明する難しさ
2-2 森林-土壌-水循環のかかわり
2-3 森林の蒸発散作用と水の動き
<水量をまもる>
2-4 森林土壌での水の動き
2-5 降水の流出と森林のかかわり
2-6 洪水(短期流出)と森林のかかわり
2-7 長期流出と森林のかかわり
2-8 水利用と森林のかかわり
<水>0-7 ダムか森林かという選択
0-8 地球規模の循環システムを探る-学際的・総合的研究へ-
参考 水と森をまもる事例
内容説明
地球環境時代とは、地球全体の環境と私たちが日々生活している地域の環境とが離れがたく結びついている時代であり、それは20世紀に入ってからの人類による自然資源の過剰な利用によってもたらされた。いわば地球の歴史は、新しい時代に入ったのである。本書は、このような視点に立ち、水と森に関する新たな科学的知見を取り入れて、水循環と森林との相互関係を正しく理解し、また、実際に水と森をまもり、はぐくんでいくにはどのような取り組みをすればよいのか、という問いにわかりやすく応えようとして編まれたものである。
目次
序章 21世紀の水と森
第1章 地球の水循環と森林(水循環のあらまし;森林と熱・水・大気;水・森林と地球・地域)
第2章 水をまもる森林の働き(水をまもる機能;水量をまもる;水質を守る)
第3章 水をまもる森林づくり(森林土壌をまもる;森林施業のあり方;望ましい森林施業)
終章 水と森をまもる戦略
参考(水と森をまもる事例)
著者等紹介
太田猛彦[オオタタケヒコ]
1941年、東京都生まれ。1971年、東京大学農学部林学科卒業。1978年、同大学院農学系研究科修了(農学博士)。同年、東京大学農学部助手、その後、東京農工大学農学部講師、同助教授を経て、1990年、東京大学農学部教授、現在に至る。水文・水資源学会副会長、(社)砂防学会会長を歴任。現在、日本林学会会長、日本学術会議会員、林政審議会委員
服部重昭[ハットリシゲアキ]
1947年、岐阜県生まれ。1970年、名古屋大学農学部林学科卒業。同年、農林省林業試験場研究員、1985年、農林水産省林業試験場関西支場研究室長、1988年、同省森林総合研究所関西支所研究室長。その後、1995年、名古屋大学農学部助教授を経て、1999年、同大学大学院生命農学研究科教授、現在に至る。1987年、博士学位取得(農学博士)。現在、日本林学会理事、愛知県森林審議会委員
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