森と木の経済学―維持可能な社会発展を目指して

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森と木の経済学―維持可能な社会発展を目指して

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  • サイズ A5判/ページ数 185p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784889651324
  • NDC分類 651.1
  • Cコード C3061

出版社内容情報

戦後の森林行政を研究し続けてきた著者が、最近の論考をまとめ、21世紀の展望を描いた1冊。高度成長やグローバル化の中で森林・林業がどのように変貌してきたか、これからの方向性も含めて分析しています。

第1章 森林・林業・木材産業の展望
 第1節 21世紀にむけての林業・木材産業の展望 
  1 20世紀の森林・原生林の消滅
  2 育成林業時代の到来
  3 育成林業のグローバル化
  4 消費の拡大・その質的変化
  5 企業再編の加速
  6 グローバル化に対する対抗
 第2節 わが国の林業事情と新基本法に期待する 
  1 木材の市場開放-第1ラウンド・1960年
  2 木材の市場開放-第2ラウンド・1985年
  3 基本法林政の意図と現実
  4 1990年代の木材産業と林業
  5 新基本法の目指すべき方向  
 第3節 私見:林政審議会「新しい林政の展開方向」
  1 林政の総括について
  2 政策転換の方向
  3 数値目標について
  4 多様な機能発揮の政策
  5 GATTからWTO体制移行下の森林・林業
  補 林業にとっての新農業基本法        
第2章 国際時代の日本林業論
 第1節 日本経済と林業政策の展開
  1 世界の中の日本林業
  2 高度成長と林業・林政
  3 低成長と林業・林政
  4 日本の林業政策
 第2節 林過程
 第1節 戦後木材統制による再出発
 第2節 復興期の木材需要拡大過程の流通政策
  1 森林資源
  2 木材需要の拡大
  3 木材価格の高騰
  4 木材利用の合理化の推進
  5 奥地開発政策、未利用資源の利用
  6 木材貿易政策
  7 長期対策「林業の長期計画」
 第3節 高度成長と外材依存政策
  1 木材需要増加と価格暴騰
  2 木材価格安定政策
  3 木材輸入の拡大
  4 木材産業政策
 第4節 低成長と木材産業政策
  1 狂乱物価と価格対策
  2 需要の低迷と振興策
 第5節 林産物貿易の自由化と国内木材産業対策
  1 日米木材交渉の経緯
  2 森林・林業・木材産業活力回復5か年計画
  3 木材利用の推進
  4 木材産業の体質強化
  5 1990年代の木材産業政策
 第6節 むすび
第5章 海外林業の展開と環境問題
 第1節 世界の木材需給の新展開
  1 世界の森林資源
  2 世界の木材需給
  3 木材企業の国際的展開
 第2節 北米の林業構造と環境問題
  1 アメリカ-生産大国・これを支配する巨

" いま、新しい森林政策が模索されている。1964年に林業基本法が制定され、以来そのもとで森林・林業政策が進められてきた。基本法林政は形骸化したと指摘を受けながらも40年近く存続してきたことになる。
 基本法は、「林業の自然的経済的社会的不利を補正し、林業総生産の増大を期」し、「林業の安定的な発展を図」るというものであるが、この産業政策の目標を達成するには至らなかった。木材生産量は1960年代後半をピークに後退を続け、2000年にはピーク時の4割程度に落ち込んでいる。また、人工林面積が1,000万立方メートルに達したものの、保育ができないで、成熟段階が確かなものになるかが懸念される森林が広がっている。これが「林業総生産の増大」の現状である。
 変動相場制のもとで急進した円高、ことに1985年以降のグローバル化は、木材価格の内外差をきわだたせ、日本の林業・木材産業をいっそう比較劣位に追い込んだ。基本法制定時に木材の自給率は7割を上回っていたが、現在は2割にまで落ちている。この一方で、かってない国民的「みどり」ブームがまきおこっている。外材への依存、生産不在のなかの森林ブームである。
 林政審議会は、2000年10月に「新たな林政の展開"

林業経済、木材貿易研究のエキスパートとして知られる著者が、ライフワークの区切りとしてまとめました。

内容説明

著者の研究生活は、林業基本法の制定に向けて答申「林業の基本問題と基本対策」が明らかにされたときに始まり、それ以降基本法林政に対峙しながら研究を続けてきた。本書は、これまで続けてきた研究をとりまとめたものである。ライフワークとして取り組み、発表した産業論・市場論を総括する論文など、各章が独立した論文であるが、取り組んできた研究分野を網羅したものになっている。

目次

第1章 森林・林業・木材産業の展望(21世紀にむけての林業・木材産業の展望;わが国の林業事情と新基本法に期待する ほか)
第2章 国際時代の日本林業論(日本経済と林業政策の展開;林業事業体の展開 ほか)
第3章 農山村・林業地域における担い手問題と再編方向(木材需給と林業の比較劣位化;森林・林業をめぐる諸問題 ほか)
第4章 木材産業・流通政策の展開過程(戦後木材統制による再出発;復興期の木材需要拡大過程の流通政策 ほか)
第5章 海外林業の展開と環境問題(世界の木材需給の新展開;北米の林業構造と環境問題 ほか)

著者等紹介

村嶌由直[ムラシマヨシナオ]
1935年滋賀県大津市に生まれる。1959年京都大学農学部卒業。1964年京都大学大学院農学研究科博士課程単位取得。1986年京都大学農学博士。新潟大学教授・京都大学名誉教授。鳥取環境大学教授(2001年4月就任)。主著に「木材産業の経済学」(日本林業調査会1987年)。「現代アメリカの木材産業」(日本林業調査会1988年)。「アメリカ林業と環境問題」(編著日本評論社2000年)。「世界の木材貿易構造」(編著日本林業調査会2001年)など多数
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