内容説明
新自由主義政策のもとで、大企業は「人間の使い捨て」を行い、職を失った人たちは国保に加入する。そして税(国保料)の取り立てだけは厳しく迫る「公」の姿。このような「公」と大企業の姿勢、そして住民共同の努力の歴史をとらえれば、助走の方向が浮かび上がってくる。
目次
1 なぜ国保の歴史か―闘いへの助走路として
2 住民共同の努力―講、組合、診療所づくり
3 関東大震災と住民要求―訪問看護、セツルメント
4 「共同の努力」の官僚的取り込み―旧国民健康保険法
5 戦後改革と3つのキーワード―社会福祉、社会保障、公衆衛生
特論1 岩手の国保
6 医療運動と国保
7 「健康の切り売り」と国保
8 大企業と国保―人間の使い捨て、そして「人の弱み」で金儲け
9 先人の運動をトレースしよう―「語り部」の育成も
10 国保に対する国と大企業の責任―運動の方向性に自信を持とう
特論2 国保と大阪社保協
資料編 医療制度の流れ
著者等紹介
野村拓[ノムラタク]
1927年生まれで、今年(2014)米寿を迎える。大阪大学医学部助教授、国民医療研究所所長、日本医療経済学会会長などを歴任、本年3月まで北九州医療・福祉総合研究所所長。現在は「医療政策学校」を主宰して、若手研究者の養成に全力投球(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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