内容説明
自衛隊を肯定する「専守防衛」論者でさえ、その多くが今の9条改憲に反対している中、自民党は「日本国憲法改正草案」を提案した。それは日本を再び戦争をする国に変えようとするが、問題はそれだけにとどまらない。平和的生存権は否定され基本的人権の保障も変質する。天皇が「元首」となり国民主権は相対的に後退。憲法は国家権力を拘束するものから、国民を拘束するものへと変わり、国民の多様な生き方を保障するものから、それを実質的に否定するものへと変貌していく。これは「憲法改正の限界」を超える憲法改悪だ。
目次
第1章 日本国憲法はどんな憲法か(「固有の意味での憲法」と「近代的意味での憲法」;国家に対する不信と憲法規範 ほか)
第2章 何のために9条を変えようとするのか(「専守防衛」のための9条改憲ではない;アメリカの戦争に本格的に加担・支援するため ほか)
第3章 ここがおかしい自民党「日本国憲法改正草案」!(前文の全面改訂で戦争責任を否定;自衛隊から国防軍へ ほか)
第4章 問題だらけの憲法改正手続(憲法改正手法と衆参憲法審査会の設置;18もの附帯決議がある欠陥法 ほか)
著者等紹介
上脇博之[カミワキヒロシ]
1958年7月生まれ、鹿児島県姶良郡隼人町(現「霧島市隼人町」)出身。鹿児島県立加治木高等学校卒業。現職、神戸学院大学大学院実務法学研究科(法科大学院)教授。専門は憲法学、政党に関する憲法問題、国民代表制論、政治資金問題など。1984年3月関西大学法学部卒業。1988年3月神戸大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了。1991年3月神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得退学。1991年4月~1993年3月日本学術振興会特別研究員(PD)。1994年4月~2004年3月北九州大学(現「北九州私立大学」)法学部・専任講師・助教授・教授。2004年4月~現職。博士(法学)2000年2月神戸大学。政治資金オンブズマン共同代表。株主オンブズマン共同代表。憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会(兵庫県憲法会議)事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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