内容説明
本書では、不変の一枚岩的な文化、超越的で「客観的な」観察者といった考え方が、もはや時代遅れで有効ではないということを暴露することによって、社会科学は、多様性、ナラティヴ、感情、主体性という避けられない問題をきちんと認識し、喜んで世に知らせるべきだと迫っている。つまり、学問の世界の内外において、人種、民族、年齢、ジェンダー、性的志向の異なる多様な人々を擁護しなければならないという、その根拠をパワフルに提示しているのである。
目次
序 首狩り族の苦脳と怒り
第1部 批判(古典的規範の崩壊;客観主義以降;帝国主義的ノスタルジア)
第2部 新たな方向づけ(文化を発動する;イロンゴット族の即興的な行動;語りという分析)
第3部 再生(変わりゆくチカーノの語り;社会分析における主体性;境界線を超える)