内容説明
古代、日本国家は西から東へとその版図を拡大していく。軌を一にして地を這うように東国各地に残されていった一つの名前、伝説の蝦夷の王の名「悪路王」。歴史と伝説の間を往来して、国家形成期に培われた日本人の民族意識・国家意識の殻を解きほぐす。
目次
第1章 悪路王の末裔
第2章 常陸の悪路王像
第3章 柳田国男の悪路王観
第4章 悪路王の影と光
第5章 悪路王伝説の復権
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴木律
1
三田誠広の『桓武天皇』の中に出てくる阿弖流為という蝦夷の首領が、悪路王ではないかという説を何かで知っ他のが、この本を読んでみようと思ったきっかけ。恥ずかしながら、人名・地名にあまりルビが振られていなくて、なかなか頭に入ってこない。読了にものすごく時間がかかってしまった。けれど、大量の過去からの文献や古地図を当たり、まとめられているその仕事には敬意を表したい。悪路王とは大和朝廷から見て日本統一を妨げる異人種であり、日本にはもともと海を渡ってきた多様な人種がいて、彼らの多様な神々が八百万の神々だったのではと。2018/07/16
とぽすたぱす
1
宮沢賢治の詩作「原体剣舞練」の一節を着想として、しばしば坂上田村麻呂との対立者として史書・民間口承に上る悪路王について研究したもの。具体的な正体の同定をするには至っていないが、調査過程の濃度が楽しい。2011/04/14
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