内容説明
日本民俗学の創設者として知られ、大きな足跡をのこした柳田国男は、しかし伝記的にみるかぎり謎の多い、また多くの韜晦を含んだ経歴の持ち主であった。史実に即してその実像に迫る。
目次
〈柳田国男〉覚書
枢密雇問官柳田国男と総理大臣吉田茂
柳田国男の叙勲・叙位とその背景
翻訳家としての柳田国男
柳と雲
白足袋の思想
柳田国男年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あだこ
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翻訳者である船木さんが何を思ったのか柳田國男神話の解体をする。そのさきにあるのは当然、柳田学派。話もおもしろいが、なぜこの本を?というのも気になる。2009/11/28
志村真幸
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「外伝」というタイトルには、柳田礼賛に偏っていた出版当時の研究状況への批判がこめられている。 柳田の高級官僚、エリートとしての経歴を丹念にたどり、その立場が「常民に寄り添う」などではなく、完全に上から目線だったことを明らかに。 第二次大戦後に枢密顧問官に就任したことや、柳田の叙勲の経緯をたどることで、いかに柳田が国政に近い立場にあったかが明確になっていく。反論しようのない研究であり、柳田研究に一石を投じた。 議論が粗いように感じる箇所もあるが、柳田を考えるにあたっては外せない一冊だろう。2023/12/15
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