内容説明
本書は、町村敬貴逝去後、その後継者として立った町村末吉がどのように敬貴の精神を受けつぎ、江別・対雁、さらには江別・篠津移転という大事業を敢行しつつ、刻々に変化する国際情勢に対応しつつ近代的酪農発展の道を進めていったか、その過程を明らかにするものである。北海道酪農業の発展と町村農場の果たしてきた役割と内容は、果して北海道の第二の資産たるべき地位と内容を把持するものであったか否かの客観的総括的な究明を意図している。
目次
前篇 牛づくり八十年―町村敬貴の時代(牛づくり八十年、北海道酪農開発の先駆者;偉大な牛飼い人―町村敬貴;三人の先駆者;石狩樽川・町村農場十年;江別対雁・町村農場六十五年;戦後の公的活動;北海道酪農開発の完成;志津と敬貴の逝去;北海道酪農発展のビジョン)
後篇 その後の町村農場―町村末吉の時代(町村末吉、町村農場を継承する;町村農場継承五十年;町村農場・江別篠津移転;江別市旧町村農場の保存;町村末吉から三男・均へのバトンタッチ;教育農場としての町村農場)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
0
蝦夷地=北海道開拓は利権がらみで常に国策に振り回されたが、その割に酪農への理解関心ともに進まず、そうした状況下で町村家は相当な廻り道をしながら奮闘を続けたようだ。2015/09/10
boya
0
著者による「北海道著作集」最終巻。日本酪農界のパイオニア、町村敬貴(ひろたか)の努力と叡智を後世へ伝える意義は大きい。町村家といえば政界での存在感の方が大きいように思えるが、百年以上にわたる先駆的な酪農の実業にこそ、その活力の源流がある。生涯を牛飼いとして生き貫く敬貴の姿に、読者は静かに奮い立つことだろう。2012/12/25
-
- 和書
- きつねのはなし 新潮文庫