出版社内容情報
言葉は人びとの暮らしや文化を映し出す鏡です。日本語という謎に満ちた言語は、どのようにして私たちが今日知るような形になったのか。その全体像を明かします。
内容説明
言葉は人々の暮らしや文化を映し出す鏡。普段何気なく使っていても、じつはそこには数々の複雑な歴史や秘密が隠されている。日本語の成り立ちや仕組みを知り、美しく使いこなすための技をやさしく学ぼう。
目次
第1章 文字との出会い―奈良時代以前の日本語
第2章 知識人たちの言葉―奈良時代の日本語
第3章 貴族文化が花開く―平安時代の日本語
第4章 僧侶・武士中心の文化―鎌倉時代の日本語
第5章 民衆の台頭―室町時代の日本語
第6章 近代の幕開け―江戸時代の日本語
第7章 西欧文化との出会い―近代(明治・大正)の日本語
第8章 激動する昭和時代の日本語
第9章 IT全盛の時代―平成時代の日本語
著者等紹介
倉島節尚[クラシマトキヒサ]
1935年長野県生まれ。1959年東京大学文学部国語国文学科を卒業後、三省堂に入社。以後、30年間国語辞典の編集に携わる。『大辞林』(初版)の編集長。1990年から大正大学文学部教授。2008年より名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドラマチックガス
9
日本語の文法や発音などの歴史をわかりやすくまとめた本。面白い。だけど、知りたかったいくつかについてはよくわからなかった。1つ。平安時代の人たちは古文のように話していた? かつては口語と文語が完全に分離していたから、源氏物語のような話し方をしていたわけではないと聞いていたけれど、この本によると口語と文語がわかれたのは江戸あたりとか。平安人は「いとおかし」とか言っていた? 1つ。かつては方言がはっきりしており隣村とも言葉が通じなった。これも、方言がはっきりしたのは藩の力が強まったため、と。類書を読むか。2023/11/25
Chicken Book
6
すごく読みやすかったし、内容もわかりやすくて面白い。2021/09/03
乱読家 護る会支持!
6
古代から現代までの日本語の変遷。 中国との交流時期により発音が異なる漢字。 平安時代に漢字を元に造られたひらがな(安→あ、畿→き、計→け、武→む 等)。整備された動詞・形容詞の活用形。室町時代に整備された尊敬、謙譲、丁寧語。 江戸期に多様化、活用形なと文法が複雑化。標準語を作った明治政府。。。 言語は常に変化している。あと100年もしたら方言はなくなるのでしょくね。で、その前に「知らんけど」を日本中に普及させよう!知らんけど(笑)2019/09/11
manabukimoto
2
漢字の伝来から始まり現代まで日本語の通史。 面白かったのが鎌倉時代。平安時代から始まった「仮名」遣いが広まる。でも「漢字は男らしく、仮名は女らしい」という馬鹿なジェンダー意識が1000年前にも存在し、「かへりごと→返事(へんじ)」という語に。確かに、中国語には「返事」という語は無く、「和語由来の音読み」という歪んだ漢字至上主義熟語が誕生したらしい。 現代における諺の意味の変化にも。「情けは人のためならず」という自己利益中心主義の諺も、「親切のしすぎは相手のためにもならないよ」と。良き変化である。2023/10/04
めー
2
日本語の歴史をわかりやすく、重要な点を手早く読める本だった。 日本語史をこれから詳しくやろうと思うって読み始めたがこの本で正解だと思った。 また、時代ごとに日本語の性格や音韻、表記、語彙などを項目ごとで読めるので特定の日本語史だけの流れを知りたいという方にも向いていると思う。 手元に置いて何回も読み返したい。2019/07/23