内容説明
いにしえ人の夢とロマンを秘めた大和の古道、山辺の道。文化財の宝庫であり、人びとの心を惹きつけてやまない、その周辺地域。大和政権形成の主な舞台となったこの地で育まれてきた歴史と文化の特性を、かつて布留郷とよばれた地域を中心に、歴史学・考古学・民俗学・国文学・国語学という多様な角度から解き明かす。
目次
山辺の歴史と文化―文学を中心に
古代の天理地域
石上の市について
山辺の道と人麻呂
石上神宮と布留郷
和歌に詠まれた「石上布留」―八代集時代の和歌を中心に
僧侶をめぐる山辺の伝承と文化
天理市域の城館
老農中村直三とその活動を支えた人々
三島ノリの盛衰
幕末の動乱をみた道―上街道と天誅組の乱・冷泉為恭暗殺
明治維新と石上神宮の変容
天理教原典とやまとのことば
中山平八郎の活動を通してみた明治の奈良・天理
胞衣の近代―「奈良県風俗誌」にみる出産習俗の変容
前川佐美雄と天理山辺の道
太平洋戦争と天理
文化遺産の保護と活用を求めて
天理図書館と文化貢献
天理参考館の沿革と活動