目次
第1部 珍獣がやって来た
第2部 かわいい来訪者
第3部 家畜になった動物たち
第4部 愛されたペットと悩ましい動物たち
第5部 大きな鳥・きれいな鳥
第6部 食べられた鳥
著者等紹介
山口美由紀[ヤマグチミユキ]
長崎市職員(文化観光部・出島復元整備室・学芸員:専門官)。広島大学文学部史学科卒。1992年長崎市教育委員会文化財課勤務、2001年から出島復元整備室勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
53
出島の絵図には動物一杯。 ヒクイドリが歩いてる!鹿(食用)やインコ(ペット)も。 ドードーも来た?文献でドデール鳥、とあるのがそうなのでは、と。2023/08/25
澤水月
12
浅学で「出島」が貿易だけでない交流地と初めて腹落ち知る。ゾウ、ラクダなど多くの海外動物が献上・愛玩・食用のため連れてこられ、川原慶賀ら専門絵師が詳細に描いたと本書の豊富な図版で判る。馬など日本固有動物は江戸時代からどんどん置き換わっていた(多く取り寄せたのが吉宗、イメージぴったり)。哺乳類だけでなく、インコやヒクイドリ、(後に絶滅する)ドードーも! オランダ風物の調度品も美しく楽しい。美味しそうなグルメ広告が表紙裏や見返しに多く次の旅行は長崎に行きたい。『ドードーを巡る堂々巡り』気になっていた本も読みたく2023/08/15
リュウジ
10
★4先日訪れた出島で、表2の【笑う?象】の絵&ステキな【著者の序文】にヤラレ購入。出島は貿易の場だけでなく、モノやヒトや文化や知識欲の出入口であり通り道だった――そのことを出島に関わる動物たちをモチーフに著者と当時の絵が教えてくれます(鎖国という用語の見直しも肌で理解)。通詞たちが出島での見分を文書で江戸へ報告していたことは知っていましたが、絵師たちもリアルな絵で伝えていたことは初めて知りました。当時の絵は「なくしたものを教えてくれる/p56」「多くの情報を今に伝える/p54」。著者のこの文章も好きだな。2024/02/28
ぽけっとももんが
10
楽しい〜。オランダ人が出島に連れてきた動物たち。象や駱駝は献上され、牛や豚、がちょうや七面鳥はもちろん食糧だ。そのほかにも鳥や犬、猫などの愛玩動物もいる。蘭館絵巻に描かれた動物たちはのんびり放し飼いにされていたようだ。「ドードーをめぐる堂々めぐり」でも出島にドードーがいたのではという謎に迫っていた。ドードーいたんだろうなぁ。いつかその証拠も出てくるかな。江戸時代、大阪や上野には孔雀カフェならぬ孔雀茶屋があったそうです。2023/08/15
志村真幸
5
著者は、出島復元整備室などで働いている長崎市の職員。 出島にいた動物たちを、発掘調査、文献記録、絵画資料などを縦横無尽に使いながら紹介した一冊だ。 とにかくカラフルで、見ているだけでも楽しい。 象やラクダといった大物から、カラフルな鳥たち、さまざまな猿、洋犬と実にさまざまなものが舶来している。しかし、猫が記録がないというのは意外。 食用として連れてこられた牛、ガチョウ、豚など。解体や調理についても詳しく書かれており、おもしろい。 出土した骨についても分析され、出島での生活がよくわかる。2023/05/27