出版社内容情報
認知(知識)的な学びに偏った学習から、感情と社会性を重視する学習へ!
米国発・脳科学の知見に基づく最新教授法のエッセンス。
あなたのクラスの生徒たちは、安心して教室で学んでいますか? 苦しいとき、誰かに助けを求めることができていますか? 教師は、学習活動にばかり注目して生徒の感情を―そして自分自身の感情をも―置き去りにしてはいないでしょうか?
教師は常に生徒の幸せを願い、多くの学びの場を提供しようとします。しかしそれらの学びは往々にして認知(知識)的なものに偏っており、感情の面についてはあまり扱われることがありません。認知的思考も感情的ふるまいも同じ人間のなかで起こっており、それぞれが大きく影響しあっていることは、誰しもが日々体感していることです。
生徒により良く学んでほしいと願うのであれば、目に見える現象だけでなく、その背景にあるものや心の状態を理解することが大切となります。安心できる居場所が確認でき、周囲にいるクラスメートや大人と良好な関係が築けたとき、生徒は自ら学ぼうとする健全な心(成長マインドセット)を養います。
とはいえ、日常の教育活動において、これらについてどのように配慮すればいいのでしょうか? また、それらを学習活動に取り入れるとき、教師は自らの感情にどのように向きあっていけばいいのでしょうか?
『感情と社会性を育む学び(SEL:Social-Emotional Learning)』と題された本書には、明日から教室で使える具体的なアイディアと豊富な実践例が紹介されています。さらに、SELの効果に関して脳科学の見地から述べられているため、その有効性についても非常に説得力があります。生徒の主体性を育むことを目的としてプロジェクト学習や探究的な活動に魅力を感じ、授業に取り入れてはみたものの、想い描くような授業にならないと悩まれている先生方に、大きな気づきやヒントをもたらしてくれるでしょう。(翻訳協力者 佐野和之/かえつ有明中・高等学校教員)
目次
第1章 教師と生徒の関係を築く
第2章 共感する
第3章 自己認識を育てる
第4章 自己管理能力を身につける
第5章 社会認識を高める
第6章 よい人間関係を築く
第7章 責任ある意思決定をする
第8章 プログラムではなく、人がSEL(感情と社会性を育む学び)に好影響を及ぼす
著者等紹介
スプレンガー,マリリー[スプレンガー,マリリー] [Sprenger,Marilee]
SEL、読み書き、脳の機能の教育への応用などの分野の国際的な教育コンサルタント。中学校を中心に25年の教員経験がある。1992年に、脳科学に基づく指導を専門とするエリック・ジェンセンと全米で教員研修を行ったことをきっかけとして、脳の機能、記憶、より効果的な教え方を伝えることに尽力するようになる。これまでに13冊の本を著している
大内朋子[オオウチトモコ]
ボストン郊外在住。The Right Question Institute(RQI、好奇心や主体性、柔軟な思考の向上や、意思決定のプロセスへの参加を目的として、問いを立てる力を育成する、マサチューセッツ州ケンブリッジの教育系非営利団体。『たった一つを変えるだけ』(新評論)は、RQIの2人の創設者が長年の経験をもとに執筆した)にて、問いづくりのトレーニングと問いを立てることが学びや行動に及ぼす効果についての理論的研究に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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