内容説明
子どもの創造性を育むために。学校教育において「創造性」はどのように位置づけられてきたのかを、社会的構築主義の立場から考察。クリエイティブな才能を伸ばすための教育のあり方を提言する。
目次
第1章 天才研究から創造性研究へ―エミネンス研究が失った意味は何か
第2章 理論と実践論―教育実践に対する研究スタンスの問題
第3章 チクセントミハイの創造性のシステムモデルと社会的構築主義の視点の交叉
第4章 児童期の物語創作の発達的特徴―調査1
第5章 創造性評価についての社会の言説―調査2~4
第6章 創造性評価についての教師の言説―調査5
第7章 最終考察と創造性教育への提言
著者等紹介
夏堀睦[ナツボリチカ]
法政大学経営学部(1989)、東北福祉大学社会福祉学部卒業(1993)。中央大学大学院文学研究科修士課程修了(1995)。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了(2003)。中央大学文学部兼任講師(教育心理学)
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感想・レビュー
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mokohei
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本書における「創造性」の言葉の用法には少々無責任さ(楽観主義)を感じた。この無責任さこそ、ネオリベ批判側から突かれる「弱い部分」であり、この課題に取り組めた内容とは言い難い(一応ネオリベ批判に触れているが、「ネオリベ批判も問題だ」とするだけで自らの主張の正当性を述べていない)。 しかし、本書を「創造性」の言葉に拘らずに広く現在の(小)学校における「教育の力学」について関心を広げた場合、非常に示唆的な論点が多く、読み応えがあると感じた。少なくとも本書自体は「創造的」であると思う。2020/09/23