内容説明
ポスト・ケインズ派からレギュラシオン理論まで、非‐新古典派=社会経済学(political economy)の共有する最新の経済理論を体系的に解説。資本主義のダイナミクスを理解するための新しいパラダイムを提示する。
目次
社会経済学とは何か
第1部 資本主義の基本的構造(市場と資本;価格、賃金、利潤;資本蓄積と所得分配 ほか)
第2部 現代資本主義の制度的基礎(貨幣・金融制度;国家の経済への介入;企業と労使関係 ほか)
第3部 現代資本主義の動態(所得と雇用の決定;インフレーションとデフレーション;景気循環 ほか)
著者等紹介
宇仁宏幸[ウニヒロユキ]
京都大学大学院経済学研究科教授(経済理論)。1977年、京都大学工学部卒業。1995年、大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程修了
坂口明義[サカグチアキヨシ]
東北学院大学経済学部助教授(経済理論、金融論)。1982年、横浜国立大学経済学部卒業。1988年、一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了
遠山弘徳[トオヤマヒロノリ]
静岡大学人文学部教授(政治経済学、社会経済論)。1981年、山形大学人文学部卒業。1989年、大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程修了
鍋島直樹[ナベシマナオキ]
名古屋大学大学院経済学研究科助教授(経済理論・経済学史)。1987年、早稲田大学教育学部卒業。1993年、一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了
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感想・レビュー
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ふみすむ
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「新古典派経済学の理論的コアは、ワルラスの純粋交換経済モデルであり、これは生産を含まないなど非現実的な基礎仮説から出発している」価格調整・セイの法則・限界生産力説・貨幣の中立性によって特徴づけられる主流派経済学を新古典派経済学と呼び、これを批判する非-新古典派の諸潮流(マルクス派、ポスト・ケインズ派、新リカード派、制度派など)を本書では「社会経済学」(political economy)と総称する。異端の経済学を体系化したものだが、京都大学や名古屋大学などの講義で採用されている標準的なテキストである。2017/01/27