内容説明
本書はまず、現実社会におけるおおよそ全ての社会問題の根底に、「利己的に振る舞うのか、それとも、他者と未来に配慮しつつ協力的に振る舞うのか」という“社会的ジレンマ”の構造が横たわっているものと考え、様々な社会問題を解く鍵は、その社会的ジレンマの構造を踏まえることでしか得られない、という前提に立つ。その上で、問題解決を意図した“工学的”な認識の下、社会的ジレンマについての“科学的”な現象理解を論じつつ、社会的ジレンマを解消するための“理論と方法”を、多面的に論じるというアプローチをとった。
目次
第1部 社会的ジレンマの応用理論(社会的ジレンマとは何か?;社会的ジレンマの種類;社会的ジレンマの解決策 ほか)
第2部 心理的方略(事実情報提供法―認知の“矯正”による解決策;経験誘発法―一時的な構造変化が導く“経験”による態度変容;コミュニケーションの基礎的な理論と技術―“コトバ”による態度と行動の変容 ほか)
第3部 構造的方略(構造的方略の功と罪―“不可欠”な構造的方略の“悪影響”;構造的方略の導入に向けて―構造的方略の悪影響を回避するための“フレーム”;構造的方略を巡る高次ジレンマ―公共受容、世論、ボランティアと正義 ほか)
著者等紹介
藤井聡[フジイサトシ]
東京工業大学大学院理工学研究科土木工学専攻助教授。京都大学工学部卒、同大学院工学研究科修了。専攻は土木計画学・交通社会心理学
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