内容説明
経済環境の変化、発展はその中で働く従業員の技能、性質を変えるが、また一方で従業員の技能、性質によって経済環境は制約されている。とりわけ東アジア、東南アジアで生じている急激な社会変動は、従業員と企業のあり方を根底から変えていっているようにみえる。本書は、このような問題をベトナム、中国、日本の従業員意識の比較を通じて検討しようとするものである。
目次
第1章 社会主義市場経済化と従業員意識の分化
第2章 中国・ベトナムにおける勤労観―「MOW(働くことの意味)調査」に基づいて
第3章 中国国有企業の「改革」と労働者意識の分化―権威主義とヒエラルヒー絶対主義
第4章 平等と効率―格差の受容と制度改革
第5章 文化的自己観と企業改革・従業員意識
第6章 順社会的態度と他者への信頼感の構造
第7章 社会主義国における環境意識の未成熟―日本との比較分析
第8章 住宅制度改革にみる平等主義の構図
著者等紹介
高田利武[タカタトシタケ]
最終学歴:早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。学位:博士(文学)。現職:奈良大学社会学部教授。主要著書に他者と比べる自分。自己形成の心理学(共著)。現代社会心理学の発展II(分担共著筆)
松戸武彦[マツドタケヒコ]
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。社会学修士。現職、奈良大学社会学部教授。主要著作に『地域研究入門1 中国社会研究の理論と技法』(共編著)。『アジアの社会変動と従業員意識の展開』(共編著)。『愛知県労働運動史3』(共著)
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