内容説明
本書は、実践哲学としてのコミュニケーション理論の基本的な枠組みを整理し、その有効性を検証する。また社会理論としてのコミュニケーション理論の問題点を、アーペル、ハーバーマス、ホネットらの議論を手掛かりに検討し、様々な実践的課題に取り組む際の基本的スタンスを解明する。更に、公共的討議、社会問題、テクスト解釈などのより特殊な主題に関してのコミュニケーション理論の具体的な展開の可能性をも示す。
目次
1 コミュニケーション理論の基礎(道徳の手続き的形式性とコミュニケーション;コミュニケーションと道徳・倫理・政治―公共的自律の可能性)
2 コミュニケーション理論と実践(コミュニケーション理論と共同体論的なもの;主体哲学の克服と討議理論の可能性;承認と排除―相互承認論の構造と限界)
3 コミュニケーション理論の展開(公共的討議とそのアクチュアリティ;社会問題とコミュニケーション;テクストと解釈―ハーバーマスの文学論をめぐって)
著者等紹介
霜田求[シモダモトム]
1960年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。哲学・倫理学専攻。熊本学園大学助教授。『人間論の21世紀的課題』〔共著〕(ナカニシヤ出版、1997年)、「適用と批判-討議倫理学の批判的可能性」(『カンティアーナ』第25号、1994年)、L.シュトラウス『古典的政治的合理主義の再生』〔共訳〕(ナカニシヤ出版、1996年)、他
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