内容説明
本書の各論稿は「戦争責任をどう引き受けるか」「「国民国家」にどう立ち向かうか」の二つのサブテーマ・グループに纒めてある。前者は本書のテーマそのものである「戦争責任」を問うものであり、その責任引き受けの「主体」の在り方に焦点を当てて論じている。後者は、戦争責任、あるいは戦争そのものを問うとき必然的に問題となってくる「(国民)国家」をテーマとし、ここでも、焦点は、その国家を構成している「国民」という「主体」の在り方にある。
目次
0 何が論点か―一つの序論として
1 戦争と責任
2 政治的責任の二つの位相―集合的責任と普遍的責任
3 排除しない思考は可能か
4 「日本人として」謝罪する論理
5 「歴史主体論争」を超える―ジェンダー化した思想戦
6 わたしの自由とわれわれの責任
7 国家と境界―国民とその〈外部〉
8 「選び直し」あるいは「本来性」の言説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W.S.
1
自分は、20代前半の戦争非体験世代である。 自分がこの本を読んだ理由は、自分自身の戦後責任とは何か、戦後責任を果たすにはどうしたらよいかということを模索しているからである。 簡単に、(似ているが、)二つの感想を。 ①国内・国外の犠牲者に対する向き合い方を明確にすることの必要性を自覚した。 ②誤った戦争で犬死した者たちに、私たちはどう向き合うべきなのか。これは非常に重要な問いであり、適切な回答を持つことは、戦後責任を果たす上で、必要不可欠になると思う。(p132「6「日本人として」謝罪する論理」)2014/08/31