内容説明
1932年、4人の若者が当時の地図に記された“クーンカ山、標高30000フィート(約9000m)”に向い、今も幾多の登山隊を退けるこの難峰の初登頂に成功。実際の高さは7556mだったが、当時世界で二番目の登頂記録であった。世界最高峰を求めて、探検・冒険の登山記。
目次
計画
揚子江を溯る
赤い盆地とティー・ロード
チベットの玄関・打箭炉
湖のキャンプでの測量
ビュチューの谷へ
コンカは見えず
東面での敗退
攻撃開始
支稜〔ほか〕
感想・レビュー
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yoneyama
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1932年アメリカ隊の初登記録。65年の時を経てなぜか日本語訳される。四川省最高峰、戦前の7556m峰一発登頂は快挙だったが、この山は難しい。1980年中国開放のあと日本隊にとっては悲劇の続いた山。 訳者は1953年一橋大山岳部入部。2005/01/01
梅子
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エルゾーグの『処女峰アンナプルナ』並みの迫力と執筆力で、思いがけず良著に出会えて興奮した。ずっと後になっても日本隊の攻撃を何度も退けてきた難峰ミニヤコンカを、8000m峰未踏の時代にオンサイトで初登頂を成し遂げたアメリカ隊の記録。まだ冒険と登山が一体だった頃特有の、未知の文化・植生・動物への関心とそれを解き明かそうとするアカデミックな好奇心が登山家達の心の中にもあった、古き良き雰囲気。一方、凍傷を抱えての下山はエルゾーグ達の時と同じように、病院のある街まで何ヶ月も掛かる為、悲惨極まりなく、背筋が凍る。2018/12/04