内容説明
中学生のタッちゃんと英くんが拓く新しい哲学の冒険。哲学者が語る「認識」を知覚・認知の科学的知見から解明する。
目次
第1章 知覚と存在の関係(見ていないと、家は消滅する?;「ほんとうに」存在するって、どういうこと?;他人にとって、ぼくは存在するの? ほか)
第2章 知覚の本性(見えないのに、見えている?;見えるのに、見えていない?;どんな現象から出発したらいいの? ほか)
第3章 意識、思考、自由(瞬間の悪夢;いくつもの思考の「流れ」と創造性;自由に、そして、もっと適切に行動するには)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お気楽になりたいお気楽さん
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再読。知覚、認識を哲学する。哲学的思考法に少し慣れてきたためか、著者の意図が分かるようになってきた。「人類全体が、想像力の上手な使い方をまだ十分にマスターしていないんだよ(中略)人間というのは想像力を駆使して、いろんな先入観を次々と作り出せる動物だから、逆に自分の想像力の産物に縛られてしまうこともあるし、先入観でお互いを勝手に区別して差別を作り出し、必要以上に恐怖心をあおりたてては、戦争で殺し合いまでしてしまうんだ」☆☆☆2020/09/20
お気楽になりたいお気楽さん
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「意識経験そのものが、本人には自覚されないプロセスの進行の結果であり、そのプロセスが私たちの毎日の意識的な認識や行動を可能にしている」という考えが2人の中学生と1人の大学生の対話を通じて説明されている。「知覚と存在の関係」などの哲学的な内容を含むが、割とすらすら読める。「大きなうそほど人はだまされやすい」「どんな内容のことでも、一人で考えていたことを話し合える人が見つかるって、とてもすてきなこと」「安井君を変わった人だと感じるぼくらのほうが、じつは退屈で単調な人間になってしまっているんじゃないか」☆☆☆2019/08/05
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