出版社内容情報
天然痘がまだ脅威だったころのアフリカ。ある晩、モモという少年の家に、赤ちゃんを抱いた母親と老婆が、一夜の宿を求めてやってきます。家に入れてはいけないというばあさまと、助けようとするお母さん、そしておびえる小さな妹。翌朝目を覚ますと、赤ちゃんだけが残され...。天然痘とそれをめぐる人々の心の葛藤が描かれます。
著者等紹介
ベス,クレイトン[ベス,クレイトン] [Bess,Clayton]
1944年、アメリカのサンフランシスコ近郊で生まれる。劇文学の修士を得たあと、アメリカ政府の平和部隊で、3年間西アフリカのリベリアに教師として派遣される。そのとき、西アフリカと東アフリカの国々をまわり、さらにそのあと、ヨーロッパを旅する。帰国後、俳優、脚本家、司書などのかたわら、ペンネームのクレイトン・ベスで若者向けの作品を、本名のロバート・ロックで大人向けの作品を書き、その他にも、ミュージカルの歌や台本をてがけるなど、幅広く活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aponchan
17
息子の本棚にあったので読んでみた。なかなか、重い話で、人間として他人の子供の命を自分自身の子供の命を犠牲にするかもしれない状況で守れるかという命題かなと。そこに宗教が絡み、より一層、難しくなっている。子供はもとより、大人の方が読んで考えるべき内容かなとも思う。 2020/02/11
裕由
8
童話館から届きました。今の私にはハウの選択はできません。天然痘というものに実感がわかないからなのか、ひとのためにするキリスト教精神が乏しいからなのかは、分かりませんが。いつか再読しその時にどのような感情を持つのか、自分の変化、または不変を見てみたいですね。2019/03/24
kana
7
中3長女に童話館から。天然痘が流行っていた時代の西アフリカの話。お父さんが息子に語りかけるように物語は始まるので油断していたら、とても重い、深く考えさせられるお話でした。表向きはきれいごとを言えても、現実に自分に同じことがふりかかった時に、お母さんと同じ選択ができるのか。私は口が裂けてもできる、とは言えないだろうなぁ…薄い本なのでさらっと読めますが、問いかけてくるものは大きい。2019/01/07
ゆー
6
読んで良かった。配本してくれた本屋さんに感謝。子ども用だけれど、読まないので自分で。自分ならどうするか?と問いかけながら読み、最後は涙を流していました。ハウの言う通り自分がしなくてはと思ったことを、するほかない、が、色んな思いー自分の欲ーが交錯して自分の思った信念を貫き通すというのは中々に難しい。実話がベースの本。2018/05/13
だんまり
5
図書館の片隅にひっそり残っていた地味な装丁の本。手に取ってみたら、けっこう奥の深い物語だった気がする。 アフリカにキリスト教が入ってきた。その教えを信じて生きていくには、あまりにアフリカの風土はきびしかった。うん。とっても考えさせられた。2014/05/30