出版社内容情報
サンフランシスコの街のケーブルカーが、時代の流れとともに廃止されることに。でも市民達は、その是非を自分達で決めようとします。
およそ9~10才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SHO
9
古くから街のために働いているケーブルカーのメイベル。市議会で廃線が検討されると反対運動が起こります。威張っていたバスのビルも坂道は登れず、メイベルの事が必要だと認めます。街の人に愛されて、必要とされる喜びが感じられ、幸せな気持ちになりました。 実際の出来事が元になった絵本。反対運動の集会が図書館で開かれていたところが、なんか良いなと思いました。2023/09/09
遠い日
8
バートンが描く乗り物は、まるで生きているかのような躍動感を持って読み手に迫ってくる。サンフランシスコの町を走る小さなケーブルカーが働くさまはきびきびと小気味よく、人々の足として愛着ある地元の乗り物だった。時代の流れ、交通事情により、廃止の声が高まる中、町の人々は存続への闘いの行動を起こした。その運動も力強く描かれ、民主主義のモデルをみるようだ。ケーブルカーの構造や運転の技術などにも触れつつ楽しめるバートンの絵が、素晴らしかった。2017/11/06
poppo
7
図書館で息子がみつけてきた、と思ったら、実家にあった懐かしいこの絵本。子供の頃は難しくて、全部読めたのは今回がたぶん初めて。時代が移り変わる中で、存続の危機に立たされたケーブルカーのメイベルのお話。同著者の「ちいさいおうち」にも通じる、古き良き時代への愛着、あたたかい気持ち。そして、殺伐とした都市化に反発する筆者の強い思いが感じられる。少ない色数で表現された柔らかい絵のトーンが素敵。3歳には難しくて後半はしょったけれど、メイベルの可愛さは伝わったよう。 2014/09/11
takakomama
4
実話を元にした話。ケーブルカーのメイベルは坂道が険しくても乗客が混みあっていても、いつもほがらか親切に、朝早くから夜遅くまで働きます。街が発展し、古いものが新しいものにとってかわられ、誰もがせかせかしています。ケーブルカーが廃止されそうになった時、反対運動が起きて、住民投票で存続が決まりました。地元の人々の意見が反映されて良かったです。金銭的なことが最優先とは限りません。思い出も愛着もあるのですから。ケーブルカーのメイベルとバスのビッグ・ビル、仲良く、仕事を頑張ってね。2022/10/23
どんぐり
3
始めの方はちょっと難しい。これは実話を元にしているため説明がある。バスに追いやられそうになったケーブルカーを市民が守ったお話し。ジョージニア・リーバートンらしい暖かみがあってしゃれた絵と、人々の熱い想いが伝わる1冊2011/06/06